第二次フランクリンの戦い

第二次フランクリンの戦い：南北戦争における悲劇

第二次フランクリンの戦いは、1864年11月30日にテネシー州フランクリンで繰り広げられた南北戦争の激戦です。フランクリン・ナッシュビル方面作戦の一部であり、特に南軍にとっては壊滅的な打撃となりました。一般的には単に「フランクリンの戦い」として知られています。

戦いの背景

前日のスプリングヒルの戦いで、南軍は北軍の一部を打ち破ることができず、スコフィールド率いる北軍部隊を取り逃がしてしまいました。フッド将軍は、スコフィールド軍がナッシュビルでトーマス将軍の部隊と合流する前に、これを撃破しようと焦っていました。しかし、フランクリンで対峙した際、南軍の兵力は約38,000人だったのに対し、北軍は約30,000人でした。

スコフィールド軍はスプリングヒルから北へ強行軍し、フランクリンに到着後、直ちに防御陣地の構築を開始しました。1863年の第一次フランクリンの戦いの際に構築された胸壁を基盤に、半円状の防御陣地が築かれ、ハーペス川を背にする形となりました。スコフィールドは、舟橋の不足から川を渡って撤退することができず、フランクリンでの防衛を選択せざるを得ませんでした。輜重隊は、まず浅瀬を渡り、後に架けられた急造の橋を使って川を越え、戦闘開始時にはほぼ全隊がハーペス川を渡り終え、ナッシュビルへと続く道路上にありました。

正午までに北軍は、塹壕で構成された強力な外郭線と、その背後に第二次防御線を構築しました。北軍の配置は、キンボール少将、ルーガー少将、コックス准将の各師団が並び、ワグナー准将の師団の一部が前方に展開し、南軍の前進を遮蔽する役割を担いました。スコフィールドは、午後6時までにフッド軍が到着しなければ、歩兵隊を川を渡らせる計画でした。

戦闘の開始

午後1時頃、フッド軍はフランクリンの南に到着しました。フッドは攻撃的な指揮で知られていましたが、部下の上級将軍たちの反対を押し切り、胸壁の背後に防御を固める北軍に対し、正面攻撃を命じました。その目的は、スコフィールド軍がナッシュビルに逃亡する前に撃破することでした。午後3時半から4時頃、南軍はチーザム少将の軍団を左翼に、スチュワート中将の軍団を右翼に配置し、攻撃を開始しました。

戦闘の経過

フッドの攻撃は、まずワグナーの前進旅団を包囲しました。この旅団は胸壁の前で戦闘をしないよう命令されていましたが、抵抗を始めました。ワグナーが命令変更を受けたかどうかは議論の対象となっています。北軍の前線は、南軍の攻撃で一時的に弱体化しましたが、オプダイク大佐の旅団などの活躍により、再び防御を固めました。

戦場の東側では、ローリングとウォルトホール少将の部隊が分断され、西側ではベイト少将の攻撃が失敗しました。中央では、南軍が突破に成功したと信じ、北軍の第二前線に対して繰り返し突撃を敢行しましたが、協調を欠いていました。暗くなった午後7時頃、ジョンソン少将の師団が攻撃を仕掛けましたが、多くの兵が溝に釘付けになり、激しい銃撃戦が続きました。

午後9時までに、戦闘はほぼ鎮まりました。南軍の攻撃は、ある者によって「西のピケットの突撃」と形容されましたが、実際にはゲティスバーグの突撃よりも大規模なものでした。

東の川向こうでは、南軍の騎兵隊指揮官フォレスト少将が北軍の左側面を衝こうとしましたが、ウィルソン少将の騎兵隊に撃退されました。

スコフィールドは午後11時頃から歩兵隊に川を渡るよう命じましたが、コックスは撤退の必要がないと反対しました。北軍が川を渡るために脆弱な時間帯がありましたが、フッドはそれを突くことができませんでした。北軍は12月1日にナッシュビルの胸壁内に入りました。

戦闘の結果

南軍はフランクリンを支配しましたが、北軍は逃亡に成功しました。しかし、フッドの勝利は、恐ろしい損失を伴うものでした。5時間の戦闘で、南軍はシャイローの戦いよりも多くの兵士を失いました。南軍の損失は6,252名に達し、そのうち戦死者は1,750名、負傷者は3,800名でした。また、15人の将軍と53人の連隊長を失いました。北軍の損失は戦死189名、負傷1,033名、不明1,104名でした。

フランクリンの戦いでほぼ壊滅状態になったテネシー軍は、ナッシュビルへと進軍し、さらなる悲劇に見舞われることになります。歴史家マクファーソンは、この戦いを「自由の雄叫び」の中で詳述しています。

現在の戦場跡

現在、カーターの家は観光客に公開されており、北軍防御陣の中央に位置しています。この戦場跡は約15エーカーの広さがあり、家や離れには数百の銃弾痕が残っています。また、マクガボック家のカーントン・プランテーションも公開されており、南軍兵1,481名が埋葬されたマクガボック南軍墓地があります。

フランクリン戦場跡の多くは商業開発によって失われましたが、市当局と歴史保存団体は、残りの土地を救うための努力を続けています。


この戦いは、南北戦争の西部戦線における重要な転換点であり、南軍の衰退を象徴する出来事となりました。

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