第二次国際連合緊急軍

第二次国際連合緊急軍（UNEF II）

第二次国際連合緊急軍（UNEF II）は、1973年10月に成立した国際連合の平和維持活動であり、主に第四次中東戦争における停戦監視を担いました。この任務は、エジプトとイスラエルの間で進行した軍事的な対立の緩和を目的としています。

設立の背景

1973年10月22日、エジプトとイスラエルの間で停戦合意が成立しましたが、長期的な平和とは言えませんでした。これを受けて国際連合安全保障理事会は、10月25日に安保理決議340を採択し、各国に対して占領地からの撤退を求めました。その結果、UNEF IIが設立され、国際的な監視機関としての役割を果たすこととなりました。

当初のUNEF IIの規模は約7,000名で、休戦監視を行う任務が約半年間にわたって予定されていました。派遣にあたっては、国際連合休戦監視機構（UNTSO）や国際連合キプロス平和維持軍（UNFICYP）からの一部兵力の転用が行われました。

活動内容

UNEF IIは、エジプトとイスラエルの軍の間での停戦を監視し、また時間が経過する中での兵力撤退の状況を監視する役割を果たしました。特にシナイ半島において、双方の軍隊が安全かつ円滑に撤退できるよう配慮し、その過程を監視しました。また、ゴラン高原については1974年から国際連合兵力引き離し監視軍（UNDOF）が活動しており、地区ごとに異なる監視体制が取られていたことも特徴です。

UNEF IIは、1973年10月26日には先遣部隊がエジプトに派遣され、活動を開始しています。現地に展開した国際連合の部隊は、様々な国から派遣された兵士たちで構成され、それぞれ異なる背景を持つ人々が協力し合い、平和的な解決を目指しました。

任期の変更

当初の任期は約半年とされていましたが、任務の重要性が認識される中で、UNEF IIの任期は順次延長されました。しかし、その後、1978年にはキャンプ・デービッド合意が結ばれ、最終的には1979年3月26日にエジプト・イスラエル平和条約が成立しました。このように、和平の道筋が見えてくると、UNEF IIの必要性は次第に薄れていきました。

結果として、UNEF IIは1979年7月24日に解散され、その任務を終えることとなりました。国際連合の平和維持活動におけるUNEF IIの役割は、長期的な視野で見ると、地域の安定に寄与したと言えるでしょう。

まとめ

第二次国際連合緊急軍の活動は、エジプトとイスラエルの間の緊張緩和に寄与しただけでなく、国際社会が平和維持に協力する重要性を物語っています。多国籍の部隊が互いに信頼を持ち、協力し合う姿は、和平の実現に向けた重要なプロセスの一部でありました。

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