第二次長沙作戦

第二次長沙作戦

第二次長沙作戦（だいにじちょうささくせん）は、日中戦争中の1941年12月24日から1942年1月16日まで、湖南省長沙近辺で行われた日本陸軍の軍事作戦です。この作戦は、当初の方針から逸脱し、長沙を攻略することを目指しましたが、十分な準備なしに始まったために多くの困難に直面しました。

概要

この作戦は、香港攻略作戦を支援する形で実施されました。出撃したのは第11軍で、兵力は第一次長沙作戦の3分の2にとどまりました。作戦自体は迅速に決定されたものであり、準備不足が露呈し、中国軍の激しい抵抗に遭いました。その結果、日本軍は長沙を占領することなく撤退を余儀なくされ、中国側は戦勝を高らかに宣伝しました。当初、作戦のコードネームは「さ号作戦」でしたが、中国側では「第三次長沙会戦」と呼ばれています。

背景

第一次長沙作戦が成功を収めたことに満足していた第11軍司令官の阿南惟幾中将は、その後の中国戦線についての懸念を抱えていました。1941年11月、彼は長沙作戦が敵に逆宣伝の材料として利用されているとの意見を聞き、軍の士気を高めるために攻撃的な態勢を整えるよう指示しました。中国軍が南下を開始したとの情報を受け、第11軍は急遽牽制作戦を決定し、12月13日には具体的な計画を立てました。

日本軍の戦力

日本軍の指揮は、第11軍の阿南中将を中心に行われ、3個師団と独立旅団が参加しました。第3師団は豊嶋房太郎中将の指揮のもと、最前線での攻撃を担当し、第6師団と第40師団が続いて進攻しました。日本軍は急いで長沙へ突進しましたが、装備や物資の不足が常に伴いました。

中国軍の防御

中国側では、蔣介石委員長が長沙防衛の重要性を認識し、戦力を集中させました。防衛の方針として制定された「天炉戦法」では、敵を誘導して包囲殲滅する戦術が採用されました。長沙の防衛には第10軍が配置され、市内には通信網や砲兵陣地が整備されていました。

戦闘の経過

12月24日、日本軍は新牆河を渡河し、そこで激しい抵抗に直面しました。汨水への攻撃は困難を極め、各部隊は連携が取れないまま進軍し、混乱が生じました。12月29日、日本軍は独断で長沙進攻を決定しましたが、準備が整っていないまま進撃を開始しました。

長沙城の戦い

1942年1月1日、第3師団は長沙城外の高地を攻めるも、中国軍の激しい抵抗に遭遇しました。続く攻撃でも中国側は手強く、1月3日に反転命令が出されました。第3師団は大量の損害を被りながらも、撤退を試みました。

結果と影響

第二次長沙作戦は大きな損害を出し、日本軍は戦死や負傷者を出した一方、中国側は戦勝を宣伝しました。作戦中、中国軍は約30個師団を動員して日本軍に立ち向かい、最終的には反撃に成功しました。日本側の歴史的評価は低く、総力戦の影響を受ける中で、一度も日本側の優位を示すことができなかったことは深刻でした。戦後、日本の軍関係者からもこの作戦の失敗について総じて否定的な意見が述べられており、歴史の教訓として語り継がれています。

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