第一次長沙作戦

第一次長沙作戦

第一次長沙作戦（だいいちじちょうささくせん）は、日中戦争の一環として1941年9月18日から10月6日までの間に、中国湖南省の長沙周辺で実施された日本陸軍による軍事作戦です。この作戦の目的は、中国軍第9戦区軍に対する打撃を与え、事変の早期解決を目指すものでした。これは長沙を拠点としていた中国軍に対し、日本の第11軍が攻撃を仕掛けたもので、戦闘の激しさは両軍にとって非常に厳しいものでした。

背景

1941年初頭、大本営と支那派遣軍は、長期化する支那事変に対処するための作戦を計画しました。その中で長沙作戦は、重慶政府の転覆を狙う一大攻勢作戦の核となるものとして位置づけられましたが、反対の意見も多くありました。特に、独ソ戦の開始や日米関係の悪化による兵力の再配置が背景にありました。それでも、第11軍の司令官阿南惟幾は熱心に作戦の準備を進め、南方への兵力転用が行われる前に中国軍に対して確実な打撃を与える必要性を説きました。

参加兵力

日本軍の主力である第11軍は、阿南惟幾中将の指揮のもと、45個歩兵大隊および26個砲兵大隊から構成され、複数の師団が参加しました。それに対抗する中国側も第9戦区軍を中心に、多くの兵力を動員して対抗しました。

戦闘の経過

作戦の初期段階では、新牆河の渡渉が行われ、中国軍の陣地を突破することに成功しました。9月18日から開始された攻撃では、日本軍が圧倒的な火力で中国軍第4軍を撃破し、進撃を続けました。しかし、途中で遭遇した第26軍との戦闘など、予想以上の抵抗に直面し、戦況は複雑化しました。日本軍は036日間の激闘の末、長沙を占領することに成功しましたが、この占領には多くの困難が伴いました。

長沙占領とその後

長沙の占領後、日本軍は急速に南方面への追撃を行おうとしましたが、すぐに中国軍の反攻が強化され、宜昌方面での激しい闘争が始まります。ここでは日本軍が防衛に手薄な状況となり、中国軍の意図的な反撃にさらされました。日本軍は戦略的な判断を迫られる中、長沙からの反転を余儀なくされます。

宜昌攻防戦

宜昌では日本軍の部隊が圧倒的な数の中国軍に直面し、ここでも激闘が繰り広げられました。最初は守備が薄いと見られていた宜昌が、日本軍の不安定な状況を突いて中国軍の攻撃が集中することになり、作戦の難易度が急激に高まります。日本軍は生存をかけた戦闘を行い、化学兵器の使用に至るという悲惨な結果を招くことになりました。

結果と意義

第一次長沙作戦は作戦目的を部分的に達成する結果となりましたが、長期的な戦況の変化により、日本軍は持続的な占領を維持することができませんでした。中国側の反撃は成功し、長沙は即座に奪還され、その後のプロパガンダに利用されることとなります。この一連の戦闘は、日本と中国の間の戦争の激しさを象徴する重要な意味を持っていました。結果として約50万人の交戦兵力が関与し、多くの兵士が命を落とす結果となったことは、戦争の厳しさを物語っています。

もう一度検索