第二種基礎研究

第二種基礎研究とは

第二種基礎研究は、特定の社会経済的なニーズに応えるため、既存の複数の理論（法則、原則、定理など）を組み合わせ、観察、実験、理論計算を繰り返すことで、その手法と結果に規則性や普遍性のある知見と、目的を達成するための具体的な方法を導き出す研究です。

第一種基礎研究との比較

第二種基礎研究は、未知の現象を普遍的な理論として解明する第一種基礎研究とは対照的です。第一種基礎研究は、純粋な知識の探求を目的とし、新しい法則や原理の発見を目指します。一方、第二種基礎研究は、第一種基礎研究で得られた知識を基に、現実世界での応用を視野に入れています。

第二種基礎研究の使命

第二種基礎研究の主な使命は、以下の2点です。

1. 社会への還元: 実際に製品を作り、社会に貢献することを目指します。これは、理論的な発見を現実世界での具体的な形に結びつける重要なステップです。
2. 第一種基礎研究と製品化研究の橋渡し: 第一種基礎研究で得られた知見を、製品化に向けた研究へとつなげる役割を担います。これは、基礎研究の成果を実用化するために不可欠な段階です。

研究のアプローチ

第二種基礎研究では、第一種基礎研究で得られた多数の法則などの知識を出発点とし、現実世界に存在する可能性のあるものを実際に作り出す行為を通じて、その行為の背後にある普遍性を探求します。このプロセスでは、単に理論を適用するだけでなく、実験や観察を通じて、理論の適用範囲や限界を検証します。

研究の意義

第二種基礎研究は、基礎研究の成果を社会に還元するための重要な役割を担っています。この研究分野が発展することで、科学技術の進歩が加速し、社会全体の発展に貢献することが期待されます。また、第一種基礎研究と製品化研究をつなぐことで、研究開発プロセス全体をより効率的に、効果的にすることが可能になります。

まとめ

第二種基礎研究は、既存の理論を基盤とし、実用的な応用を目指す研究分野です。第一種基礎研究で得られた知見を現実世界に適用し、社会に貢献することを使命としています。この研究分野の発展は、科学技術の進歩だけでなく、社会の発展にも不可欠です。

参考文献

吉川弘之・内藤耕（2003）『第2種基礎研究：実用化につながる研究開発の新しい考え方』日経BP社。
吉川弘之・内藤耕（2005）『「産業科学技術」の哲学』東京大学出版会。

関連項目

* 基礎研究

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