第五海洋丸の遭難

第五海洋丸の遭難について

第五海洋丸の遭難事件は、1952年9月24日に発生しました。この事故は、海底[[火山]]の明神礁の調査を行っていた海洋測量船「第五海洋丸」が消息を絶ち、後に発見された漂流物からその沈没が噴火によるものであることが判明したものです。当時の乗組員31名全員が犠牲となり、日本及び世界の火山観測史において未曾有の悲劇と言われています。

五海洋丸の概要

第五海洋丸は、大日本帝国海軍が太平洋戦争中に建造した6隻の海洋測量船の一つであり、1942年に三菱重工業下関造船所で竣工しました。本船は、当初「第五海洋」と名付けられており、戦後には海上保安庁に移管され、「第五海洋丸」として運用されました。200トンの重量を持つ鋼鉄製で、最高速力は11.5ノットでした。

この船は、海洋や気象の観測業務に従事し、戦後は特に重要な測量作業を行っていました。しかし、1952年に発生した事故により、その役割は悲劇的に中断されてしまいます。

遭難の背景と経過

事故の発端となるのは、1952年9月17日、焼津市の漁船が明神礁近くで火山の噴火を発見したことです。この情報を受け、政府は迅速に周辺の調査を行うこととなり、第五海洋丸が派遣されました。出航は9月23日午前10時15分でした。出発時の乗組員には、測量課長の田山利三郎や海象課長の中宮光俊など、科学技術者が含まれていました。

神鷹丸という別の調査船が先行しており、出航から数日後の9月23日に噴火の影響を受け大変な危険に晒されました。その様子を伝える報告を背景に、第五海洋丸は28時間後の24日、噴火に向かうも音沙汰がなくなってしまいます。

通信の途絶と捜索

出航後、定期的な報告が行われましたが、24日午前9時以降、通信が途絶しました。同日午前中、横浜通信所からの無電に応答が無く、その後、捜索命令が発令され、数多くの海上保安庁の船やアメリカ空軍の飛行機が派遣されましたが、しばらくの間は手がかりが得られずにいました。

26日、漁船が漂流物を発見したことで、捜索は新たな展開を迎えます。その後、漂流物の回収が続けられ、この中には第五海洋丸のものが確認されました。最終的に、10月11日には特別捜索が打ち切られることとなりました。

調査と結論

10月1日、事故についての調査委員会が設置され、徹底的な分析が行われました。報告では、明神礁での爆発が原因とされ、その詳細を探る過程で、第五海洋丸が遭難した時の海況や火山活動の情報が集められました。この爆発の推定時刻は、24日午後0時25分頃とされ、第五海洋丸の接触と同時に強い圧力を受けたと考えられています。

残された謎と影響

また、この遭難事故には数多くの謎が残されています。特に、無線通信の問題や漂流物の不思議な状況などがあり、当時の技術や状況についての考察が行われました。

事故の影響により、第五海洋丸の喪失は海上保安庁に深刻なダメージを与え、以降の海洋調査の安全性向上に寄与する教訓として受け継がれていくこととなります。

まとめ

この悲劇的な遭難は、日本の海洋調査の歴史にお～ふかい影を落とす事件であり、当時の技術や環境関係の危険性を改めて考えさせられるものでした。

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