第六三四海軍航空隊

第六三四海軍航空隊について

第六三四海軍航空隊（だい634かいぐんこうくうたい）は、日本海軍の一部として運用された航空隊で、特に水上機と艦上機を運用する特殊な任務に従事しました。本隊は戦艦に搭載されることを前提に独自に編制されましたが、最終的には小規模な水上機基地としての役割を果たすことになりました。

沿革

日本海軍は、機動部隊の再建を急いでおり、新たに航空母艦が9隻に達するほどの増強が行われていました。この状況の中、634空は航空戦艦「伊勢」と「日向」を母艦として、航空隊として成立させることになりました。割り当てられた機種には、水上偵察機の瑞雲と艦上爆撃機の彗星が含まれていました。

1944年5月1日、岩国飛行場で起源を持ちつつ、呉飛行場で正式に編成がスタートしました。最初の定数はそれぞれ18機ずつで、訓練が行われたものの、実際には機材不足から九九式艦上爆撃機が使用されました。5月22日、母艦が決定され、瑞雲は「伊勢」に、彗星は「日向」にそれぞれ配属されました。

6月には、サイパン島への派遣が命じられましたが、間もなくその計画は中止になりました。その後、カタパルト射出実験が行われ、全機成功を収めました。7月には東号作戦が発令され、各部隊が横須賀飛行場や香取飛行場に移動しました。ただし、8月には解隊された第六五二海軍航空隊から新たに戦闘機隊と攻撃隊を編成しました。

10月には台湾沖航空戦が勃発し、瑞雲隊と艦上機隊はそれぞれ異なる飛行場に進出しましたが、機動部隊に参加するかは検討されたものの、最終的には搭載が見送られました。続いて、フィリピンへと向かい、夜間対艦攻撃や多号作戦の対艦哨戒に従事しました。

11月には神風特攻隊が活動を開始し、634空も梅花隊を編成して特攻任務に従事しました。その後、同月中に第二航空艦隊に編入され、艦上機隊は廃止され、代わりに偵察機隊が強化されました。1945年1月には第一航空艦隊に転籍し、もっぱら警戒任務を行っていました。

3月26日には「菊水一号作戦」が発動され、沖縄近海での夜間対艦攻撃に参加しましたが、4月には台湾から本土へと撤退しました。その後、福岡や鹿児島に展開して沖縄への攻撃を行いました。ついに8月15日、終戦を迎えることになります。

主力機種

634海軍航空隊の主力機種は、水上偵察機の瑞雲、艦上爆撃機の彗星がありました。また、九九式艦上爆撃機、零式艦上戦闘機や天山なども慣熟訓練用として用いられました。

歴代司令

• - 天谷孝久 大佐（昭和19年5月1日 - ）
• - 江村日雄（昭和19年11月15日 - ）
• - 立見孝六郎（昭和20年8月 - 解隊）

関連項目

• - 大日本帝国海軍航空隊一覧

第六三四海軍航空隊は、日本海軍の航空戦力の中でも特殊な運用を行っていた部隊であり、その運命は当時の戦局に大きく影響を受けました。

もう一度検索