第六号掃海艇

第六号掃海艇

大日本帝国海軍に所属した第六号掃海艇は、第五号型掃海艇の2番艦として建造されました。海軍省が定めた公式な艦艇類別等級では、便宜上「第一号型」に含められていました。

本艇の建造は、1928年（昭和3年）3月10日に大阪鉄工所桜島工場で開始されました。同年10月29日には無事進水し、翌1929年（昭和4年）2月25日に竣工。ここに「第六号掃海艇」として正式に命名され、掃海艇としての役割を担うこととなります。

竣工後、第六号掃海艇は様々な任務に就きました。1937年（昭和12年）に日中戦争が勃発すると、1939年（昭和14年）までの期間、主に華中方面における作戦行動に参加し、掃海任務や船団護衛などに従事しました。戦間期には、1940年（昭和15年）10月11日に横浜港沖で盛大に挙行された「紀元二千六百年特別観艦式」にも参加。多数の艦艇が観閲を受ける中、その姿を見せました。

太平洋戦争が始まると、本艇は日本の南方侵攻作戦の一翼を担うことになります。しかし、その運命は突然断たれます。1941年（昭和16年）12月26日、ボルネオ攻略作戦の最中、同島クチン泊地に停泊していた際、オランダ軍機の激しい爆撃に晒されました。サマリンダから飛来したグレン・マーチン爆撃機3機による攻撃は正確であり、第六号掃海艇は直撃弾を受けたか、あるいは至近弾による損傷が致命傷となり沈没してしまいました。

この時、第六号掃海艇は輸送船「第二雲洋丸」に横付けしていました。掃海艇の沈没に伴い、「第二雲洋丸」もまた炎上し、やがて海へと消えていきました。二隻の艦船が、この空襲によって運命を共にしたのです。

悲劇的な沈没から間もない1942年（昭和17年）1月10日、第六号掃海艇は日本海軍の艦艇名簿から除籍され、その短い艦歴に幕を下ろしました。

第六号掃海艇では、その就役期間中に多くの指揮官が艇長として指揮を執りました。記録に残る歴代艇長は以下の通りです。

艤装員長：成田茂一 大尉（1928年11月1日 - ）
艇長：
成田茂一 少佐（1929年2月25日 - 1929年11月30日）
岡崎文勳 大尉（1929年11月30日 - 1930年5月1日）
川井繁蔵 大尉（1930年5月1日 - 1930年12月1日）
天野重隆 大尉（1930年12月1日 - 1931年11月2日）
川元徳次郎 大尉（1931年11月2日 - 1933年11月15日）
吉田正義 大尉（1933年11月15日 - 1934年10月22日）
法元廉 大尉（1934年10月22日 - 1936年4月1日）
吉井吉郎 大尉（1936年4月1日 - 1936年12月1日）
富田捨造 少佐（1936年12月1日 - 1938年7月28日）
岡戸靖彦 少佐（1938年7月28日 - 1938年11月15日）
佐川通夫 少佐（1938年11月15日 - 1939年7月29日）
日下敏夫 少佐（1939年7月29日 - 1940年3月20日）
江原晃 少佐（1940年3月20日 - 1940年11月15日）
蓼沼三郎 少佐（1940年11月15日 - 1941年9月10日）
* 田中弘国 大尉（1941年9月10日 - 1942年1月15日）

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