第十七号掃海艇

第十七号掃海艇

第十七号掃海艇（だいじゅうななごうそうかいてい）は、大日本帝国海軍が運用した掃海艇の一つです。同型艇の第一艦として建造され、その後の日本の掃海艇開発における重要な一歩となりました。

建造と就役

この掃海艇は、大阪鉄工所桜島工場において建造されました。1935年（昭和10年）1月28日に起工され、同年8月3日には無事進水。そして、約半年後の1936年（昭和11年）1月15日に竣工を迎えました。竣工と同時に「第十七号掃海艇」と命名され、正式に日本海軍の掃海艇として類別登録されました。これにより、実戦部隊での運用が可能となりました。

戦歴

就役後、第十七号掃海艇は多岐にわたる任務に従事しました。まず、日中戦争の勃発に伴い、1937年（昭和12年）から1939年（昭和14年）にかけて中国大陸における作戦に参加しました。特に、華中および華北方面での掃海活動や支援任務にあたったと記録されています。

太平洋戦争が開戦すると、その主戦場は南方へと拡大しました。第十七号掃海艇は、緒戦における南方侵攻作戦の一翼を担い、重要な海域での掃海や部隊の支援を行いました。戦争が長期化するにつれて、主要な任務は船団護衛へと移行しました。連合国軍による海上交通路への攻撃が激化する中、本艇は徴用輸送船などを敵の機雷や潜水艦から守るための護衛任務に尽力しました。この任務は、戦局が悪化するにつれて重要度を増していきました。

終焉

第二次世界大戦末期、日本の敗色が濃厚となる中でも、第十七号掃海艇は任務を遂行していました。しかし、終戦直前の1945年（昭和20年）8月2日、朝鮮半島南部の鎮海湾付近で触雷し、大きな損傷を負いました。この損傷により、本艇はもはや任務の継続が困難な状態となりました。日本の敗戦に伴い、特別輸送艦として復員輸送などに従事する機会もなく、同年11月20日付けで帝国海軍の艦籍から除籍されました。

除籍後、第十七号掃海艇の船体は佐世保へと回航されました。戦後処理が進む中で解体されることになり、1948年（昭和23年）9月1日には、旧佐世保海軍工廠の施設を引き継いだ佐世保船舶工業において解体作業が完了しました。これにより、第十七号掃海艇の短いながらも激動の歴史に幕が下ろされました。

歴代艇長

第十七号掃海艇の指揮を執った歴代の艇長は以下の通りです。

艤装員長
田口正一 少佐 （1935年10月15日 - ）

艇長
田口正一 少佐 （1936年1月15日 - 1936年6月20日）
大石新一 少佐 （1936年6月20日 - 1936年7月21日）
安並正俊 大尉 （1936年7月21日 - 1937年12月1日）
上井宏 少佐 （1937年12月1日 - 1938年9月15日）
中山定義 大尉 （1938年9月15日 - 1938年12月15日）
西野繁 大尉 （1938年12月15日 - 1939年11月15日）
黒木政吉 少佐 （1939年11月15日 - 1940年4月1日）
橋本正雄 大尉 （1940年4月1日 - 1940年10月15日）
橘広太 大尉 （1940年10月15日 - 1941年7月17日）
* 安東英雄 予備大尉 （1941年7月17日 - 終戦まで）

これらの指揮官のもと、第十七号掃海艇は建造から解体されるまでの期間、日本の軍事行動において掃海艇としての役割を果たしました。

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