第十二号掃海艇 (2代)

日本海軍の第七号型掃海艇六番艇、「第十二号掃海艇（だいじゅういちごうそうかいてい）」は、主に太平洋戦争において活躍した掃海艇です。

本艇は1938年（昭和13年）5月28日に石川島造船所で起工され、同年9月20日に掃海艇として正式に類別されました。翌1939年（昭和14年）2月18日に無事進水し、同年8月15日に竣工。同日付で佐世保鎮守府籍に編入されました。

竣工後間もなく、1939年には日中戦争における華中方面での作戦に投入され、その任務を遂行しました。

太平洋戦争開戦を控えた1941年4月10日、日本海軍の組織改編に伴い第三艦隊が新編され、「第十二号掃海艇」は第一根拠地隊に所属する第二十一掃海隊の一員となりました。この部隊編成のもと、太平洋戦争緒戦の重要な作戦に参加することとなります。

1941年12月の対米英開戦後、本艇は比島部隊第二急襲隊の一隻として、フィリピン北部にあるビガン攻略作戦に加わりました。第二急襲隊は上陸部隊を乗せた船団を護衛し、12月7日に台湾の馬公を出撃、12月10日に上陸作戦を支援しました。この同じ日、第二十一掃海隊の僚艦である第十号掃海艇が空襲により沈没するという被害を受けています。ビガン攻略に続いて、第一根拠地隊の一部は軽巡洋艦「長良」などと共に第四護衛隊を編成し、12月24日から開始されたラモン湾上陸作戦にも参加し、上陸部隊の護衛にあたりました。

12月26日には比島部隊の大部分が蘭印（現在のインドネシア）方面へと転進。第二十一掃海隊も軽巡洋艦「神通」などが参加する東方攻略部隊第二護衛隊として、メナド攻略作戦に参加することになりました。攻略部隊は1942年1月9日にマグナガ湾を出撃し、1月11日にメナドおよびケマへの上陸を成功させました。「第十二号掃海艇」はメナド攻略を目指す船団の護衛に従事し、同日には第二十一掃海隊としてバンカ泊地での掃海作業も行いました。1月14日にはモルッカ海で多数の潜水艦発見報告があり、第十五・十六駆逐隊と共に掃討に出撃しましたが、結局発見されず、報告の多くは鯨を誤認したものと判断されました。

続く1月21日からはケンダリー攻略作戦が開始され、第二十一掃海隊もこれに参加。部隊はバンカ泊地から出撃し、1月24日の上陸作戦を支援しました。さらにその後、アンボン攻略にも参加するため、第二十一掃海隊は第十五駆逐隊第一小隊と合流し、1942年1月28日にケンダリーを出発。1月30日には攻略船団に合流しました。船団は1月30日から31日の夜にかけて目的地に到着し、上陸が開始されました。しかし、2月2日、アンボン湾での掃海作業中に事故が発生しました。「第十一号掃海艇」と「第十二号掃海艇」は、それぞれの防雷具展開器が機雷に触れて爆発し、両艦とも航行不能となる深刻な被害を受けました。さらにその後、同隊の第九号掃海艇も触雷により沈没するという大きな損害を被っています。

アンボンでの被害から復旧した「第十二号掃海艇」は、1942年3月10日付で第二南遣艦隊第二十一特別根拠地隊に編入されました。以降、主にスラバヤ方面を拠点として、広範囲にわたる船団護衛任務に従事しました。同年5月には小スンダ列島戡定作戦にも参加しています。同年8月にはスラバヤで応急修理を受けた後、マニラへの船団護衛を経て佐世保へ帰投し、同年8月16日から入渠修理を実施しました。10月24日に修理完了後、11月14日には再びスラバヤに入港。以降、終戦まで一貫してスラバヤ方面を拠点とした船団護衛の重要な一翼を担いました。

太平洋戦争も終盤に差し掛かった1945年（昭和20年）4月2日、「第十二号掃海艇」はチモール島への輸送任務のためスラバヤを出港しました。しかし、その任務遂行中の4月5日、フローレス島西岸沖において、アメリカ海軍潜水艦「ベスゴ」の雷撃を受け、敢え無く撃沈されました。その約一か月半後の1945年5月25日、帝国海軍籍より正式に除籍され、その艦歴に幕を下ろしました。

本艇の艇長は、竣工時の三瓶寅三郎少佐をはじめ、種子島洋二大尉、福山強大尉、村上忠臣大尉、瀬川岩雄予備大尉、羽生秀一予備大尉らが務めました。

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