第十号掃海艇 (3代)

第十号掃海艇

第十号掃海艇（だいじゅうごうそうかいてい）は、かつて大日本帝国海軍に所属した掃海艇の一隻です。本艇は、第七号型掃海艇（三代目）として計画・建造された艇のうち、四番目の艇として位置づけられています。

艦歴

第十号掃海艇は、昭和12年（1937年）12月21日に石川島造船所にて起工されました。翌年の昭和13年（1938年）5月28日には、正式に掃海艇として日本海軍の艦艇籍に類別されます。その後、同年9月22日に進水し、工事を終えた昭和14年（1939年）2月15日に竣工しました。竣工と同時に、本艇は佐世保鎮守府の管轄下に編入されました。

竣工の年である1939年には、日中戦争における華南方面での軍事作戦に参加しています。

太平洋戦争開戦が迫る中、昭和16年（1941年）4月10日には、日本海軍の新たな部隊編成として第三艦隊が新編されました。この第三艦隊は、複数の戦隊や根拠地隊などから構成されており、第十号掃海艇は、その隷下にあった第一根拠地隊に所属する第二十一掃海隊の一員となりました。

太平洋戦争と沈没

太平洋戦争が勃発すると、第十号掃海艇はフィリピン攻略を目指す比島部隊に編入され、その中でも第二急襲隊の一隻として作戦に参加することになりました。第二急襲隊の任務は、ルソン島北西岸の都市であるビガンへの上陸を企図する部隊を乗せた輸送船団を護衛することでした。昭和16年（1941年）12月7日、第十号掃海艇は護衛対象の船団と共に、台湾の馬公を出港し、フィリピンへ向け進撃を開始しました。

そして、上陸作戦が実行された昭和16年（1941年）12月10日、第十号掃海艇はビガン湾内で行動中に、アメリカ陸軍航空隊の攻撃に遭遇します。アメリカ陸軍第34追撃飛行隊に所属するP-35A戦闘機（サムエル・H・マレット中尉の操縦機）による機銃掃射を受けた結果、本艇に搭載されていた爆雷が誘爆を引き起こしました。この誘爆は艇に壊滅的な損傷を与え、そのまま沈没に至りました。

この攻撃と沈没により、第十号掃海艇の乗員79名が戦死、17名が負傷するという甚大な人的被害が発生しました。第十号掃海艇を攻撃したマレット中尉のP-35A機も、本艇の爆発に巻き込まれる形で墜落したと記録されています。

沈没後、第十号掃海艇は昭和17年（1942年）3月15日をもって、正式に帝国海軍の艦艇籍から除かれました。

歴代艇長

第十号掃海艇の歴代艇長は以下の通りです。

艤装員長
志摩岑 少佐：1938年11月15日 - 1939年2月15日
艇長
志摩岑 少佐：1939年2月15日 - 1939年11月15日
山上亀三雄 少佐：1939年11月15日 - 1940年5月1日（兼務）
種子島洋二 少佐：1940年5月1日 - 1940年10月15日
福山強 大尉：1940年10月15日 - 1941年9月15日
鈴木康吉 予備大尉：詳細時期不明 - 1942年1月15日

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