第十航空艦隊

第十航空艦隊について

第十航空艦隊は、日本海軍の重要な航空部隊として1945年に編成されました。この艦隊は、戦時中の次の作戦に備え、必要な場合には本土方面に所在する練習航空隊を戦力として活用するための準備を進めていた軍令部第一部が設立したものです。練習連合航空隊は戦時編制とは異なる構成を持ち、海軍練習連合航空総隊に属していましたが、その指揮権は教育に限られていました。このため、実戦に使う場合には、連合艦隊に統一指揮するための司令部が必要とされました。これが第十航空艦隊を編成する理由の一つでした。

歴史的背景

第十航空艦隊の編成に関する提案は、1945年2月26日に行われ、3月1日には正式に戦時編制の改定が行われました。この艦隊は、戦争が進行する中で日本海軍が直面していたさまざまな状況に対処するために設立されました。しかし、残念ながら1945年10月10日に解隊されることとなりました。

航空隊の編制

第十航空艦隊の編成当初は、以下のような航空隊が存在していました。1945年3月1日時点での組織は以下の通りです。

• - 第十一連合航空隊: 霞ヶ浦、筑波、谷田部、百里原、名古屋、鹿島、北浦、大津、神町、第二郡山、第二河和、豊橋、松島、大和、第三岡崎、東京の各海軍航空隊が含まれていました。
• - 第十二連合航空隊: 宇佐、大村、詫間、築城、元山、福山、峰山、天草、姫路、釜山、西条、光州、観音寺、諫早の各海軍航空隊が所属していました。司令官は藤吉直太郎少将です。
• - 第十三連合航空隊: 大井、鈴鹿、青島、徳島、高知の各海軍航空隊が編成されており、伊藤良秋少将が司令官を務めていました。

さらに、1945年6月1日には、直属となる海軍航空隊が整理され、霞ヶ浦、東京、第二郡山、神町、谷田部、元山、百里原、松島の各海軍航空隊が直接配属されました。

要職

第十航空艦隊の司令長官を務めたのは前田稔中将で、1945年3月1日から同年10月1日までの間にその職務を全うしました。また、参謀長には山本親雄少将が1945年3月1日から5月25日、続いて神重徳大佐が1945年6月20日から9月15日まで任に当たりました。神重徳大佐は殉職し、その後の任務は欠員のままとなりました。

このように、第十航空艦隊は日本の戦争の終息時期において特異な役割を果たし、その設立と解隊の背景は、日本海軍の歴史の中で重要な位置を占めています。彼らの活動と組織は、日本の海軍航空戦力の変遷を象徴するものといえるでしょう。

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