第四の核

映画『第四の核』の概要

『第四の核』（だいよんのかく、原題：The Fourth Protocol）は、1987年に制作されたイギリスのスパイ・アクション映画です。この作品は、フレデリック・フォーサイスによる同名小説を原作としており、フォーサイス自身が脚本を手掛けています。ただし、日本では劇場公開されなかったため、多くの観客にとってはあまり知られていない作品かもしれません。

あらすじ

1987年の冬、ソ連においてタカ派のKGB議長であるゴボルシンは、「オーロラ計画」という名の大胆な陰謀を進めることを決断します。この計画の目的は、西洋とアメリカの間に亀裂を生じさせることにあります。具体的には、イギリスで反核運動を煽り、総選挙期間中に米軍基地に核爆弾を仕掛けることで、労働党の支持を高め、親ソ政権を樹立しようとしています。これにより、西欧とアメリカを分断させる計画が進行していくのです。

KGBは、この計画を実行に移すために工作員アレクセイ・ペトロフスキーをロンドンに送ります。彼はスーツケースサイズの核爆弾を数回に分けて持ち込み、英国国内で組み立てるという重要な任務を担っています。

一方、元MI5エージェントのジョン・プレストンは、上司との対立によって左遷され、港湾管理の仕事に就いていました。しかし、ある事故の捜査を通じて、彼は恐ろしい事実を発見します。それは、核爆弾の起爆装置に使われるポロニウムであり、ペトロフスキーが狙っているものでした。この発見により、プレストンはソ連の陰謀を知り、ペトロフスキーの追跡を始めます。この肉迫するタイムリミットの中、プレストンの行動は事態を大きく動かすこととなるのです。

キャスト

映画『第四の核』には、豪華なキャストが揃っています。主人公のジョン・プレストンを演じるのは名優マイケル・ケイン。また、アレクセイ・ペトロフスキー役にはピアース・ブロスナンがキャスティングされています。その他にも、ジョアンナ・キャシディ、ネッド・ビーティ、ジュリアン・グローヴァーなど、多彩な俳優が脇を固めています。

このように、『第四の核』は、冷戦時代のスリリングなストーリーと魅力的なキャラクターが織りなすアクション映画であり、視聴者に緊迫感をもたらす作品です。国際間の陰謀や、国を守るための苦悩を描いた本作は、スパイ映画のジャンルにおいて一際異彩を放っています。冷戦の余韻を残す1980年代、世界がどのように動いていたかを感じさせる貴重な映像資料とも言えるでしょう。

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