第1回日米大学野球選手権大会日本代表

第一回日米大学野球選手権大会日本代表

1972年7月8日から18日にかけて開催された、記念すべき第一回日米大学野球選手権大会。この大会に出場するために編成された日本の大学生選抜チームが、「第一回日米大学野球選手権大会日本代表」です。

この大会は、日本にとって学生レベルでの国際的な野球交流に初めて挑む機会であり、その歴史的な意義から大きな注目を集めました。特に、開幕戦である第1戦では、当時の皇太子明仁親王殿下（後の上皇陛下）が、日本のスポーツ競技大会で初めて始球式を行われたことは、大きな話題となり、大会の認知度を一層高める出来事となりました。

日本代表チームは、全国から選ばれた大学野球界の精鋭たちで構成され、強豪アメリカの学生選抜チームを迎え撃ちました。

全7戦で行われたシリーズは、両チームが一歩も譲らない激しい攻防となりました。試合結果は以下の通りです。

第1戦（7月8日、神宮球場）: 日本 6 - 3 アメリカ
第2戦（7月9日、神宮球場）: アメリカ 11 - 1 日本
第3戦（7月13日、岡山県営球場）: 日本 5 - 4 アメリカ（延長11回）
第4戦（7月16日、中日球場）: 日本 4 - 3 アメリカ
第5戦（7月17日、神宮球場）: アメリカ 3x - 2 日本（延長13回）
第6戦（7月18日、神宮球場）: アメリカ 5 - 3 日本
第7戦（7月18日、神宮球場）: 日本 3 - 0 アメリカ

シリーズは、両チームが交互に勝利を収める展開となり、最後まで予断を許しませんでした。特に、第3戦と第5戦は延長戦にもつれ込むなど、手に汗握る熱戦が繰り広げられました。最終的に、日本代表が通算4勝3敗でこの記念すべき第一回大会の栄冠を勝ち取り、初代チャンピオンの座に輝きました。

しかし、この大会には、勝利とは別の、非常に痛ましい出来事がありました。第2戦の試合中に、早稲田大学の東門明選手が守備についている際、送球が頭部に直撃するという事故が発生しました。東門選手は懸命な治療にもかかわらず、この事故が原因で帰らぬ人となりました。

将来を嘱望された若き選手の突然の死は、チームメイトはもちろん、野球界全体に深い悲しみと衝撃を与えました。この悲劇を受け、東門選手がこの大会で着用していた背番号13は、彼の功績と犠牲を悼み、日米大学野球選手権大会における日本代表チームの永久欠番とされました。

第一回日米大学野球選手権大会日本代表は、国際交流の扉を開き、激闘の末に優勝という輝かしい結果を残した一方で、尊い命が失われるという悲劇も経験しました。この大会は、その後の日米大学野球の歴史における礎となると同時に、失われた命の重みを伝える記憶として、今なお語り継がれています。

関連項目

日米大学野球選手権大会（参考情報であり、この記事の直接的な出典ではありません）

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