第3次伊藤内閣

第3次伊藤内閣について

第3次伊藤内閣は、1898年1月12日に伊藤博文が内閣総理大臣に就任し、同年6月30日までのわずか6か月間にわたる短命の内閣でした。この内閣の成立は、前内閣である第2次松方内閣が衆議院において多数派の進歩党および自由党との対立に直面し、総辞職を余儀なくされた結果として生まれました。

元老や多くの政治家の意見を考慮し、伊藤は3回目の総理大臣に就任しました。伊藤は長年にわたる政権運営の経験を生かし、安定した政権を構築することを目指しました。彼は、政党との連携を進め、進歩党と自由党からの支持を受けようと試みましたが、最終的には内閣発足時に両党との連合は実現しませんでした。

内閣の形成に際し、義務的なポストの希望が議論されましたが、伊藤が提案した配置は両党の希望を満たさず、対立から最終的に議会との連立は断念されました。この結果、伊藤内閣は議会の基盤を持たないまま政権を発足させ、次回の選挙結果を待つ状況に置かれました。

政策と動き

第5回[[衆議院議員総選挙]]が行われた3月15日、自由党と進歩党は議席の大半を獲得することに成功します。自由党が僅差で第一党となったため、首相側近の伊東農商務相は自由党と接触を持ち、板垣総理の内閣参加を提案しましたが、閣内では反対意見が多く、最終的には実現しませんでした。これにより、内閣は少数与党状態で国会に臨むこととなりました。

5月に召集された第12回帝国議会では、政府が提出した衆議院選挙法改正案や地租増徴法案が審議されましたが、どちらも否決される結果となります。特に地租増徴法案は重要な政策課題でありましたが、その結果、内閣は6月10日に衆議院を再解散せざるをえなくなります。この解散後、自由・進歩両党が合同して憲政党を結成し、内閣にとって非常に厳しい状況となりました。

内部的な対立により、藩閥政治の中で伊藤は自ら新党の結成を目指すことを決意します。しかし、その動きは山縣有朋らによって強く反発され、結果として激しい論争の末、伊藤は辞職を決断します。後継として板垣や大隈の両名が推薦され、これにより新しい内閣が発足することとなります。

対外政策

外交においても重要な決定がなされました。伊藤は日[[清戦争]]後、清国の弱体化を見越し、局外中立を掲げることを選びました。この方針は、当時の閣僚たちからも支持を受け、台湾の保護のためにも外交的交渉が行われました。また、朝鮮を巡るロシアとの関係においても西・ローゼン協定が結ばれ、当面の危機を回避するための基盤が築かれました。

結論

第3次伊藤内閣は、短期間ながらも過渡期における様々な動きや対立を背景に、政党政治の進展や新しい政体の形成に寄与した歴史的な時期であったと言えます。この内閣の展開は、後の日本の政治に多くの影響を及ぼすこととなります。

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