第1次近衛内閣

第1次近衛内閣の概要

第1次近衛内閣は、1937年6月4日に近衛文麿が第34代内閣総理大臣に任命され、1939年1月5日までの期間、政治を担った内閣である。この内閣は、当時の社会情勢や国際的な状況の中で大きな変化を遂げることになった。

内閣の構成

近衛内閣は国務大臣や内閣書記官長などを任命し、内部での役割分担を明確にした。在職期間中には、内閣改造も行われ、国務大臣は合計581日間在職した。

政務官の復活

近衛内閣では、林銑十郎内閣の時代に廃止された政務官が復活され、議会との連携強化が図られた。これにより、国民の代表を国政に反映させる狙いがあったが、政務官として任命されたのは、近衛の政策研究団体に所属するメンバーや近衛と親しい議員が大部分を占める形となっていた。

盧溝橋事件の発生

内閣発足から1か月後、盧溝橋事件が勃発し、当初は拡大方針を控えていたが、閣議で北支居留民の保護のために派兵が決定され、局面が変化した。文治主義を重んじる国民の間では口論が続いたが、状況は次第に緊迫したものとなり、戦争へと突入していくことになった。

日中戦争の拡大

北支居留民保護のための派兵が行われると、中華民国側の交渉姿勢は硬化し、次第に日中戦争（支那事変）が激化していった。これにより国内では更なる戦時体制へと移行する必要が生じ、国家総動員法が制定されることとなった。

新体制運動と内閣の終焉

近衛内閣は「東亜新秩序建設」を戦争目的に規定したが、新体制運動や大日本党の結党を試みるなど、次第に国内の支持を失っていく。それに伴い、1939年1月に内閣は総辞職に至った。この動きは、内閣内外の圧力や抵抗の象徴でもあった。

結論

第1次近衛内閣は、戦局の変化に伴い多くの政策を試みたが、最終的には混乱と支持の喪失によって幕を閉じることとなった。この内閣の政権運営は、日本が戦争へ突入していく過程を示す重要な時期であった。

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