第1混成団

第1混成団：沖縄の防衛と地域貢献を担った精鋭部隊

第1混成団は、沖縄県那覇市に所在した陸上自衛隊の部隊です。1973年10月に編成され、2010年3月に第15旅団へ改編されるまでの間、沖縄の防衛や災害派遣において重要な役割を担いました。西部方面隊の隷下にあり、沖縄返還に伴う部隊再編の中で、臨時第1混成群と第6高射特科群を基幹として誕生しました。

主要部隊と活動

第1混成団の中でも特に知られているのが、第101不発弾処理隊と第101飛行隊です。

第101不発弾処理隊：沖縄戦の影響で今なお残る不発弾の処理を専門とする部隊です。危険を伴う作業を日々行い、沖縄の安全を守り続けてきました。沖縄は不発弾の多い地域であり、その出動回数は非常に多く、地域住民の安全確保に大きく貢献しました。

第101飛行隊：離島が多い沖縄・奄美群島南部において、30年以上にわたり急患輸送を担ってきました。固定翼機やヘリコプターを駆使し、北は奄美大島、東は大東諸島、西は与那国島に至る広範囲な地域で救急患者の搬送を行い、地域の医療体制を支えてきました。特に、八重山諸島の急患輸送では、海上保安庁石垣航空基地と連携し、悪天候時には第101飛行隊が出動するなど、その重要性は非常に高いものでした。また、航続距離を延伸したUH-60JAヘリやCH-47J/JAヘリを配備し、有事の際には軍事空白地帯である先島諸島や尖閣諸島への部隊輸送も可能でした。

歴史

第1混成団の歴史は、沖縄返還とともに始まりました。

1972年3月：臨時第1混成群が編成。
1972年5月：沖縄返還。
1972年10月：臨時第1混成群が那覇駐屯地に移駐。
1973年3月：臨時第1混成団準備本部が編成。
1973年10月：第1混成団が正式に発足。

その後、1974年には不発弾処理隊が臨時編成され、1980年には音楽隊が独立、保安警務隊が新編されました。1993年には、特別不発弾処理隊が第101不発弾処理隊に改編されました。2006年以降は、旅団化に向けた準備が進められ、2010年3月25日に第15旅団への改編に伴い、第1混成団は廃止されました。

廃止時の部隊編成

第1混成団の廃止に伴い、各部隊は以下のように改編されました。

混成団本部：旅団司令部および同付隊へ。
第1混成群：第51普通科連隊および第15施設中隊へ。
第6高射特科群：第15後方支援隊の隷下へ。
第101後方支援隊：第15後方支援隊および那覇駐屯地業務隊へ。
第101飛行隊：第15飛行隊へ。
第101不発弾処理隊：そのまま。
第430会計隊：西部方面会計隊隷下へ。
第416基地通信隊：西部方面通信群隷下の第322基地通信中隊へ。
第1混成団音楽隊：第15音楽隊へ。

まとめ

第1混成団は、沖縄返還という歴史的な転換期に創設され、沖縄の防衛と地域社会の安全に大きく貢献した部隊でした。不発弾処理や離島の急患輸送など、その活動は多岐にわたり、沖縄県民にとってなくてはならない存在でした。第15旅団への改編後も、第1混成団の精神は受け継がれ、沖縄の平和と安全に貢献し続けています。

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