第10特殊任務支隊

マクシム・シャポヴァル少将記念第10特殊任務支隊

マクシム・シャポヴァル少将記念第10特殊任務支隊（軍事部隊A2245）は、ウクライナ軍の精鋭特殊部隊であり、高度な訓練を受けた士官のみで構成されています。この部隊は、ウクライナ国防省情報総局（GUR）の第4特別情報局に直接従属しており、国外での作戦も行うことができる唯一の部隊です。

歴史

この部隊の創設には、ウクライナの愛国者であり、アフガニスタン戦争の英雄であるヤロスラフ・ホロシュコ中佐が深く関わっています。GURの特殊部隊は、ウクライナの国益を守るため、国外での活動を含む幅広い任務を遂行しています。隊員は潜水、パラシュート降下、山岳訓練などの特殊技能を習得しており、部隊の活動は機密扱いとされています。

主な作戦

第10特殊任務支隊は、以下の様な作戦に参加してきました。

トゥーズラの紛争: ロシアのGRU部隊が占拠したクリミアのケルチ交差点の奪還作戦に参加しました。
ウクライナ東部での戦争: ロシアの侵略初期から、敵の破壊工作・偵察グループに対抗し、敵陣の背後で特殊作戦を展開しました。
GRU戦闘員の捕獲: 2015年には、GRU第3独立親衛特殊任務旅団の戦闘員をシュチャスト近郊で捕獲する作戦に貢献しました。
ロシアの侵略証拠収集: ロシアの武力侵略に関する証拠収集に直接参加しました。
占領地での偵察: 占領地の奥深くで偵察活動を行い、ロシアの砲兵配置に関する情報を迅速に提供し、ウクライナ軍と民間人の損失を大幅に減らすことに貢献しました。
ロシア連邦保安局大佐の粛清: 2017年6月7日には、占領下のドンバスで、ロシア連邦保安局の「ペナント」特殊部隊の主要職員であり、ウクライナでのテロ行為を組織したチェルカシン・ユーリー・ミハイロヴィチ大佐を粛清しました。
破壊工作・偵察グループの壊滅: 2017年6月24日には、ロシアの幹部将校であるオレクサンドル・シチェルバ大尉率いる破壊工作・偵察グループを壊滅させました。

海外での展開

第10特殊任務支隊は、海外での作戦も積極的に行っています。

ソマリア沖での海賊対策: 2009年には、ソマリア沖で海賊に身代金を届ける作戦に参加しました。
アフガニスタンでの避難作戦: 2021年8月には、ウクライナ国民と外国人を避難させるため、カブールに派遣されました。部隊は、1日に3～4回街に赴き、避難する人々をカブール空港に連れて行き、合計約700人の各国国民を避難させました。

指揮官

第10特殊任務支隊の主な指揮官は以下の通りです。

ヤロスラフ・ホロシュコ中佐（1993—1994）
ヴャチェスラフ・アナトリヨヴィチ・ハルヴァ大佐（????—2010）
マクシム・シャポヴァル大佐（2013—2017）

損失

2017年9月7日時点で、部隊の駐屯地にある石碑には、戦死した以下の4人の軍人の名前が刻まれています。

マクシム・シャポヴァル
イホル・オレクサンドロヴィチ・キセリョフ
ヴォロディミル・レオニドヴィチ・ドフガニュク
イホル・スタニスラヴォヴィチ・シェフチェンコ

その他の情報

第10特殊任務支隊は、高度な訓練を受けた士官のみで構成され、ウクライナの国益を守るために、国内外で様々な特殊作戦を展開しています。その活動は機密扱いとされていますが、その勇猛果敢な活躍は、ウクライナ国民から高く評価されています。

この部隊は、2022年のロシアのウクライナ侵攻中にもホストメリ近郊での戦闘に参加し、その勇敢な戦いぶりは多くの人々の記憶に残っています。

参考資料

Чуприн К. В. Вооруженные силы стран СНГ и Балтии. Справочник. — Мінськ : «Современная школа», 2009. — ISBN 978-985-513-617-1.

関連項目

ウクライナ国防省情報総局
ウクライナの特殊部隊
ウクライナ特殊作戦軍
アルファ部隊（ウクライナ保安庁所属）
第10機動国境支隊（ウクライナ国家国境庁所属）
KORD（ウクライナ国家警察所族）

外部リンク

СПЕЦНАЗ УКРАЇНИ
“Про затвердження технічної документації по інвентаризації земельної ділянки в/ч А2245 для будівництва навчально-спортивної бази”. (Вишгородська міська рада (2015年3月16日))
памятный нагрудный знак «15 лет в/ч А2245»
Служба у спецназі ГУР МОУ (таємний острів)
Генерал-майора Максима Шаповала навічно зараховано до списків військової частини
* “В Киеве готовы к бою 38 профессиональных диверсантов”. (Сегодня (2007年4月12日))

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