第11回カンヌ国際映画祭

第11回カンヌ国際映画祭の概要

第11回カンヌ国際映画祭は、1958年5月2日から18日まで開催され、映画界の注目を集める重要なイベントとなりました。この映画祭は、世界中の優れた映画を評価し、映画制作者たちにとっての名誉ある舞台として知られています。さて、今年の受賞結果や審査員について詳しく見ていきましょう。

受賞結果

この年のカンヌ映画祭では、特に注目される受賞作がいくつかありました。最も光を浴びたのは、パルム・ドールを受賞した『鶴は翔んでゆく』（原題：「Летят журавли」）です。監督はミハイル・カラトーゾフで、第二次世界大戦を背景にしたドラマが高く評価されました。

次に、審査員特別賞にはジャック・タチ監督の『ぼくの伯父さん』が選ばれ、ユーモアと社会的風刺が見事に融合した作品として、観客からの支持を受けました。さらに、審査員賞には『Goha』（ジャック・バラティエ監督）と『青銅の顔』（ベルナール・テザン監督）が選ばれ、両作品ともに独自の視点で描かれたストーリーが評価されました。

監督賞はイングマール・ベルイマンに贈られ、彼の作品『女はそれを待っている』が受賞しました。この映画は、女性の心理を繊細に描いた作品として高く評価されました。男優賞は、ポール・ニューマンが『長く熱い夜』で受賞し、その演技力が際立ちました。女優賞は、イングリッド・チューリン、エヴァ・ダールベック、ビビ・アンデショーン、バルブロ・ヒオルト・アフ・オルネスが『女はそれを待っている』で受賞しました。

また、脚本賞は『若い夫たち』のピエル・パオロ・パゾリーニ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、マッシモ・フランチオーザに与えられ、特別表彰には『鶴は翔んでゆく』での演技に対する敬意として、タチアナ・サモイロワが選ばれました。

審査員

第11回カンヌ国際映画祭の審査員たちは、多国籍かつ多様なバックグラウンドを持つ専門家たちで構成されていました。審査委員長はフランスの作家マルセル・アシャールが務め、他には西ドイツの監督ヘルムート・コイトナー、スペインの監督ラディスラオ・ヴァホダ、アメリカの監督チャールズ・ヴィダー、ソ連の監督セルゲイ・ユトケーヴィッチなどが名を連ねました。

さらに、イギリスの脚本家ダドリー・レスリー、イタリアの脚本家チェーザレ・ザヴァッティーニ、フランスの女優マドレーヌ・ロバンソン、日本のジャーナリスト朝吹登水子、フランスの芸術家ベルナール・ビュフェ、批評家ジャン・ド・バロンセリなど、多様な視点から映画を評価するためのメンバーが集まりました。

上映作品

上映作品については多くの魅力的な映画がラインナップされ、観客を楽しませました。コンペティション部門では、世界中から集まった映画が競い合い、各国の文化や価値観が反映された多数の作品が上映されました。また、映画祭の期間中には、セミナーやパネルディスカッションなども開催され、映画制作についての議論が活発に行われました。

結論

第11回カンヌ国際映画祭は、1958年における映画界の重要なイベントであり、優れた作品の数々が讃えられました。各受賞作は、それぞれに個性的なストーリーや演技、制作技術を持っており、映画祭の魅力を高める要素となっています。この映画祭は、映画界の未来に向けた新しい才能の発見や、国際的な交流の場としても、多大な影響を与えました。

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