第11軍 (ロシア内戦)

第11軍の歴史

第11軍は、ロシア内戦の最中である1918年から1921年にかけて、赤軍によって三度にわたり設立された重要な軍隊です。最初の設立は1918年9月にさかのぼり、その後数度の再編や解散を経て、戦況に応じた役割を果たしました。

初代第11軍の形成

最初の第11軍は、1918年10月3日に北カフカース全域の赤軍部隊を基にして設立されました。当初の司令官にはイヴァン・ソローキンが任命されましたが、彼は他の指導者たちとの対立から反乱を起こし、逮捕・処刑されました。その後、軍は第10軍を援護しながら、ツァリーツィンの戦闘で白軍義勇軍と激闘を繰り広げました。

戦況は変化し、11月にはアントーン・デニーキン率いる白軍に押されて撤退を余儀なくされましたが、軍の一部はテレク州での反乱に対抗し、ウラジカフカスやグロズヌイ等を包囲しました。しかし、その後の敵の猛反撃や発疹チフスの流行によって、軍は大きな損失を抱え、最終的にアストラハンへと退却しました。

第2代第11軍の設立

1919年3月には、指令部直属の「第11独立軍」として新たに編成され、カスピ・カフカース戦線から南部戦線へと指揮権を移しましたが、6月の指令によって解散が決定され、武力は第10軍に統合されました。部隊はアストラハンとカスピ海沿岸で南ロシア軍と戦ったものの、戦力の不足からこの段階では成果をあげることができませんでした。

第3代第11軍の活動

1919年8月には、トルキスタン戦線のアストラハン支隊から新たに第11軍が形成されました。この部隊は、初めはトルキスタン戦線に属し、その後南東戦線、カフカース戦線に移りました。1919年8月から12月にかけては、アストラハンでの防衛戦を率い、デニーキン軍との交戦を重ねました。この時期、第11軍は他の部隊と連携しながら白軍に対抗し、戦闘に成功を収めました。

1920年初頭には、スタヴロポリや北カフカース中東部を制圧し、アゼルバイジャンへの赤軍の侵攻を支援しました。そして、その後の数ヶ月にわたりアルメニアやグルジアの社会主義ソビエト共和国の樹立にも寄与し、1918年から1921年にかけての内戦において重要な地位を占めました。

解散と影響

最終的に第11軍は1921年5月29日に独立カフカース軍へと再編され、解散しました。この一連の流れは、ロシア内戦の激しい戦乱の中で、様々な軍事的戦略や対決を経て形成されていったものであり、第11軍の活動は赤軍の勝利に少なからず寄与したと評価されています。

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