第111師団 (日本軍)

第111師団について

第111師団は、太平洋戦争中期以降に編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。多くの師団が満洲から南方へ転用される中、1944年（昭和19年）7月に綏陽において、第9独立守備隊と南方転用部隊の残留者を中心に編成されました。

編成と満洲での任務

編成後、第111師団は第3軍に編入され、満洲東部の警備と治安維持を担当しました。この時期、師団は主に駐屯地の警備や地域の治安維持に尽力し、大規模な戦闘には参加していません。

朝鮮半島南部への転用と済州島での終戦

1945年（昭和20年）4月、戦局の悪化に伴い、第111師団は満洲から朝鮮半島南部に転用され、第17方面軍隷下となりました。さらに、第58軍が新設されると、その指揮下に入りました。同年5月には、済州島に移動し、連合国軍の上陸に備えて防禦陣地の構築などを行いましたが、結局、戦闘を交えることなく終戦を迎えることとなりました。

師団の概要

歴代師団長
岩崎民男 中将：1944年（昭和19年）7月14日 - 終戦

参謀長
芝田経一 大佐：1944年（昭和19年）7月14日 - 終戦

最終司令部構成
参謀長：芝田経一大佐
参謀：辛島泰善少佐
高級副官：飯田一三少佐

最終所属部隊
歩兵第243連隊（徳島）：佐藤健吉大佐
歩兵第244連隊（高知）：中山修大佐
歩兵第245連隊（丸亀）：坂口才平大佐
第111師団砲兵隊
第111師団工兵隊
第111師団通信隊
第111師団輜重隊
第111師団兵器勤務隊
第111師団第1野戦病院
第111師団第4野戦病院
第111師団防疫給水部
第111師団病馬廠

まとめ

第111師団は、大日本帝国陸軍が太平洋戦争中に編成した師団の一つであり、満洲から朝鮮半島、そして済州島へと転戦しました。実際に戦闘を交えることはありませんでしたが、終戦まで任務を遂行し続けました。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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