第115師団 (日本軍)

第115師団について

第115師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、太平洋戦争末期の1944年7月に編成されました。この師団は、戦局の悪化に伴い、中国戦線における戦力再編の一環として、治安維持を目的に新設されたものです。

編成の背景

太平洋戦争末期、日本軍は戦線の拡大と戦力の消耗に苦しんでいました。特に中国戦線では、既存の師団が他の戦線に転用されることが多く、占領地の警備や治安維持を行うための新たな部隊が必要とされていました。そのため、第115師団を含む第114師団、第117師団、第118師団の4個師団が、1944年7月10日に同時に編成されました。

第115師団は、河南省に駐屯していた独立混成第7旅団を基幹として編成されました。この旅団の兵力が、そのまま師団の中核となったのです。

編制と特徴

第115師団は、4個独立歩兵大隊からなる歩兵旅団を2個持つ、いわゆる丙師団として編成されました。丙師団は、通常の師団と比較して砲兵戦力が欠けているのが特徴です。しかし、1945年3月には師団迫撃砲隊が新設され、若干の火力強化が図られました。

戦歴

編成後、第115師団は第12軍に編入され、黄河以南の京漢線沿線の警備を担当しました。1945年3月には老河口作戦に参加。この作戦は、中国戦線における日本軍の最後の攻勢作戦の一つでした。作戦終了後は河南省に戻り、郾城で終戦を迎えました。

師団の構成

終戦時の第115師団の主な所属部隊は以下の通りです。

歩兵第85旅団
独立歩兵第26大隊
独立歩兵第27大隊
独立歩兵第28大隊
独立歩兵第29大隊
歩兵第86旅団
独立歩兵第30大隊
独立歩兵第385大隊
独立歩兵第386大隊
独立歩兵第387大隊
その他
第115師団輜重隊
第115師団迫撃砲隊
第115師団通信隊
第115師団野戦病院

歴代師団長と参謀長

師団長

杉浦英吉 中将：1944年7月14日 - 終戦

参謀長

村中嘉二郎 大佐：1944年7月14日 - 終戦

まとめ

第115師団は、太平洋戦争末期に中国戦線で編成された治安維持を目的とした師団でした。他の師団からの転用により生じた戦力不足を補うために、独立歩兵旅団を基幹として編成され、黄河以南の警備や老河口作戦に参加しました。終戦は河南省郾城で迎え、その歴史を終えました。

参考文献

示村貞夫『旭川第七師団』新北海出版部、1984年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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