第119回天皇賞

第119回天皇賞（春）概要

1999年5月2日に京都競馬場で開催された第119回天皇賞（春）は、競馬ファンにとって思い出深いレースとなりました。この年の春に向けて期待されたのは、前年度の東京優駿を制したスペシャルウィークです。強力な競争相手が多数出場する中で、スペシャルウィークは1番人気に選ばれ、その期待に応える形で勝利を収めました。

レースに至るまでの状況

スペシャルウィークは、1998年のシーズンに菊花賞やジャパンCでともに1番人気に推されながらも、結果は2着と3着という結果に終わりました。しかし、1999年に入りAJCCと阪神大賞典での圧倒的な勝利を経て、ついに春の古馬戦線のビッグイベント、天皇賞（春）に挑むことになりました。彼は阪神大賞典で、前年の天皇賞（春）を制したメジロブライトを3/4馬身差で抑える素晴らしい走りを見せました。

このレースには、前年の二冠馬であるセイウンスカイや連覇を狙うメジロブライト、さらには1997年のクラシック世代を賑わせたマチカネフクキタルやシルクジャスティスも出走しました。これらの実力馬との対決がファンの期待を膨らませましたが、オッズはスペシャルウィーク、セイウンスカイ、メジロブライトの3頭に集中しました。

前哨戦の結果

各馬は前哨戦で見事な成績を残しており、スペシャルウィークはAJCCと阪神大賞典で連勝、セイウンスカイは日経賞を、メジロブライトは日経新春杯を勝利しました。

出走馬とレース展開

この日の京都競馬場は晴れ、芝は良馬場での施行となりました。レースは、セイウンスカイがいつもの逃げのスタイルを試みようとしましたが、今回は違った流れが見られました。スペシャルウィークが中団から前に出る新たな展開が始まったのです。

レースが進む中、セイウンスカイが前に進む一方で、スペシャルウィークは後方から様子を伺いながら進んでいきました。1周目の3コーナーでは、タマモイナズマやサンデーセイラが先頭に立つ展開が続きましたが、セイウンスカイは急速にペースを上げて先頭を奪う瞬間がありました。反対に、スペシャルウィークは冷静に後方をマークし、4コーナーを回るとその後ろに位置どります。

2周目に入ると、セイウンスカイがペースを落としたとき、スペシャルウィークはそのまま横に並びかけます。そして坂を登る直線では、セイウンスカイが抜かれ、スペシャルウィークが一気に先行。メジロブライトも後ろから追い上げますが、セイウンスカイの疲れが目立ち始め、残り200mでスペシャルウィークが前に出ると、そのままゴールへと駆け抜けました。

レース結果と関係者のコメント

スペシャルウィークは見事に勝利し、セイウンスカイはシルクジャスティスを僅差でかわして3着となりました。レース後、関係者はそれぞれの思いを口にしました。

「菊花賞はボクのミスだった」と話す武豊騎手は、同じ過ちを繰り返さないことを誓いました。一方、河内洋騎手は「なんでだろうなぁ。あの差は詰まらない。」と呟き、横山騎手は「完全にやられた」と認めています。

このレースは、5月2日のゴールデンウィークにふさわしく、スペシャルウィークにとっての特別な日となりました。

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