第119師団 (日本軍)

第119師団

第119師団は、太平洋戦争中期に編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。1944年（昭和19年）10月11日に、満州のハイラルにおいて、第8国境守備隊とフィリピン戦線へ転用された第23師団の残留部隊を基幹として編成されました。

編成と活動

編成の背景

太平洋戦争中、多くの師団が満州から南方戦線へ転用されたため、満州の防衛体制が手薄になりました。その穴を埋めるために、第119師団は編成されました。第119師団はハイラル方面の国境警備と治安維持を主な任務とし、その地域での活動に専念しました。

所属と駐屯地

編成当初、第119師団は第6軍に属していましたが、1945年（昭和20年）1月25日に第6軍が華中へ転用されたことに伴い、第4軍に編入されました。しかし、所属が変わっても、一貫してハイラルに駐屯し続けました。

ソ連対日参戦と終戦

1945年（昭和20年）8月9日、ソ連が対日参戦を開始すると、第119師団は後退を開始しました。追撃するソ連軍と交戦しながらも、8月15日の終戦を迎え、8月16日から17日にかけて武装解除されました。

師団の概要

歴代師団長

• - 塩沢清宣 中将：1944年（昭和19年）10月14日 - 終戦

参謀長

• - 岡部狷介 大佐：1944年（昭和19年）10月14日 - 終戦

最終所属部隊

第119師団は、以下の部隊で構成されていました。

• - 歩兵第253連隊（東京）：三浦俊雄大佐
• - 歩兵第254連隊（東京）：長沢太郎大佐
• - 歩兵第255連隊（市川）：清水義虎大佐
• - 捜索第119連隊：田川泉大佐
• - 野砲兵第119連隊：石口茂大佐
• - 工兵第119連隊：石塚義治大佐
• - 輜重兵第119連隊：坂牛哲少佐
• - 第119師団挺進大隊
• - 第119師団通信隊
• - 第119師団制毒隊

まとめ

第119師団は、太平洋戦争末期に満州のハイラルで編成され、国境警備と治安維持に尽力しました。ソ連対日参戦時には、後退しながらも交戦を続け、終戦を迎えました。編成から終戦まで、ハイラルを守り続けた師団の一つです。

参考文献

• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

• - 大日本帝国陸軍師団一覧

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