第12期棋聖戦 (将棋)

第12期棋聖戦

第12期棋聖戦は、1968年度前期に開催された、将棋界における重要なタイトル戦です。具体的には、1967年12月6日に開幕し、翌1968年7月19日にかけて約7ヶ月間にわたり熱戦が繰り広げられました。

この棋戦の頂点を決める棋聖戦五番勝負では、当時のタイトル保持者であった山田道美棋聖に対し、若手精鋭として注目を集めていた中原誠六段が挑戦者として名乗りを上げました。山田棋聖は実力者として知られ、タイトルを防衛できるかどうかが注目されましたが、対する中原六段も勢いに乗っており、激しい戦いが予想されました。

注目の五番勝負は、挑戦者である中原六段がその実力をいかんなく発揮する展開となりました。全4局が行われ、中原六段が3勝1敗という成績で山田棋聖を圧倒し、見事に棋聖位を奪取しました。この勝利により、中原誠六段は自身初のタイトルを獲得し、新棋聖の座に就きました。この出来事は、その後の将棋界の勢力図を塗り替える、記念碑的な瞬間となりました。

棋聖戦は、挑戦者を決定するために複数の段階を経て行われます。第12期においても、多くの棋士が参加する厳しい予選が実施されました。予選は一次予選、二次予選と段階的に進み、特に二次予選は8組、一次予選は5組に分かれて対局が行われました。これらの予選を勝ち抜いた者たちが、本戦へと駒を進めることができます。

本戦では、予選を突破した棋士とシード棋士が集結し、トーナメント方式でタイトル挑戦権をかけて戦います。この本戦を勝ち上がり、五番勝負でタイトル保持者である山田棋聖に挑戦する権利を得たのが、中原誠六段でした。

五番勝負では、第1局から両者の読み合いが続く緊迫した対局となりましたが、中原六段が一枚上手を行く指し回しを見せ、結果として3勝1敗と挑戦者がシリーズを制しました。山田棋聖にとっては無念の失冠となりましたが、このシリーズを通じて両者の高い技術レベルが示されました。

この第12期棋聖戦で中原誠六段がタイトルを獲得したことは、彼の輝かしいキャリアの始まりを飾る出来事でした。当時まだ六段であった中原が、棋聖という最高位のタイトルの一つを手にしたことは、将棋界に大きな衝撃を与え、新たな時代の到来を予感させました。彼の才能と努力が結実した瞬間であり、その後の飛躍の礎となりました。

この棋戦に関するより詳細な記録や、予選・本戦の具体的な対局結果などは、日本将棋連盟の公式ウェブサイトにある棋聖戦のページや、当時の将棋年鑑などの資料に収められていると考えられます。これらの資料を参照することで、歴史的な五番勝負や、そこに至るまでの棋士たちの戦いぶりを詳しく知ることができるでしょう。

第12期棋聖戦は、中原誠という後の将棋界を代表する大棋士が、初めて栄光のタイトルを手にした重要な棋戦として、今も将棋史にその名を刻んでいます。

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