第120師団 (日本軍)

第120師団

第120師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、1944年（昭和19年）に編成されました。太平洋戦争末期という激動の時代に、満州から朝鮮半島へと戦地を移動し、終戦を迎えることとなります。

編成の経緯

1944年7月、第12師団が満州から台湾へ転用されたことに伴い、その残留者を中心に、満州東寧において第120師団が新設されました。同年12月末に編成が完了し、第3軍に編入。満州東部の警備と治安維持を担当しました。しかし、戦局の悪化により、1945年（昭和20年）3月には朝鮮半島南部へ転用され、第17方面軍の指揮下に入ります。司令部は慶山に置かれ、釜山、大邱方面の防衛を担うことになりました。

戦闘と終戦

1945年8月9日、ソ連軍が対日参戦を開始（ソ連対日参戦）。これにより、師団の主力は京城（現在のソウル）へ、歩兵第261連隊は平壌へ移動しましたが、実際に戦闘を交えることなく終戦を迎えます。第120師団は、その歴史の中で大規模な戦闘を経験することはありませんでした。

師団の構成

歴代師団長

柳川真一中将：1944年11月27日 - 終戦

参謀長

三原七郎大佐：1944年11月27日 - 1945年7月26日
中西満洲次郎中佐：1945年7月26日 - 終戦

最終司令部構成

参謀長：中西満洲次郎中佐
参謀：渋谷三千雄少佐

最終所属部隊

歩兵第259連隊（丸亀）：本繁久大佐
歩兵第260連隊（徳島）：橋本孝一大佐
歩兵第261連隊（高知）：大西角一大佐
第120師団砲兵隊：三原光雄少佐
第120師団工兵隊
第120師団通信隊
第120師団輜重隊

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。