第122師団 (日本軍)

第122師団の概要

第122師団は、1945年1月16日に、大日本帝国陸軍の師団の一つとして編成されました。太平洋戦争末期、多くの師団が南方戦線や本土決戦準備に転用されたことに伴い、満州地域の防衛力強化を目的として、第121師団から第128師団までの計8個師団が新たに編成されることになりました。このうち、第122師団は、第11師団が満州から四国へ転用された後、その残留部隊と第4国境守備隊を基幹として、牡丹江省興隆で編成されました。

編成と配置

1945年3月30日、第122師団は編成を完了し、第1方面軍の直轄部隊に編入されました。その後、牡丹江一帯で満州東部の国境警備に当たりました。師団の主な任務は、ソ連軍の侵攻に対する警戒と防衛でした。

ソ連対日参戦と終戦

1945年8月9日、ソ連が対日参戦を開始し、ソ連軍が満州に侵攻。第122師団は、侵攻してきたソ連軍との間で交戦しました。しかし、戦況は不利に進み、8月17日に停戦命令を受領。これにより、第122師団の戦闘は終結しました。

師団の構成

第122師団は、以下の部隊で構成されていました。

歴代師団長
赤鹿理 中将：1945年1月20日 - 入「ソ」
参謀長
岩元議秀 中佐：1945年1月25日 - 入「ソ」。3月1日、陸軍大佐に昇進
歩兵連隊
歩兵第265連隊（東京）：連隊長 出村耐造大佐（1945年3月10日 - 入「ソ」）
歩兵第266連隊（甲府）：連隊長 柏木求馬大佐（1945年3月10日 - 入「ソ」）
歩兵第267連隊（佐倉）：連隊長 杉村南平中佐（1945年3月10日 - 入「ソ」）。6月10日、陸軍大佐に昇進
その他の部隊
第122師団挺進大隊：齋藤喜一少佐
第122師団制毒隊
野砲兵第124連隊：連隊長 瀧波幸助中佐（1945年2月12日 - 入「ソ」）。6月10日、陸軍大佐に昇進
工兵第122連隊：連隊長 澁谷勇雄少佐（1945年2月12日 - 入「ソ」）
第122師団通信隊：藤田喜代馬少佐
輜重兵第122連隊：田中剛一少佐（1945年2月12日 - 入「ソ」）
第122師団兵器勤務隊：兼田達郎中尉
第122師団衛生隊：荒川大尉
第122師団第1野戦病院
第122師団第2野戦病院
第122師団第4野戦病院
第122師団病馬廠：木下昇獣医大尉
第122師団防疫給水部

戦後

終戦後、第122師団の将兵はソ連軍の捕虜となり、その後の経緯は部隊ごとに異なりました。多くの将兵がシベリアに抑留され、帰国まで長期間の苦難を強いられました。

参考文献

第122師団に関する情報は、以下の資料で確認できます。

陸軍省 調製 『第一方面軍編制人員表』。（防衛省防衛研究所蔵、中央-軍事行政編制-10）
陸軍省 調製 『軍令ニ依リ計画セラレアル半未動員臨時動員部隊編制人員表』。（防衛省防衛研究所蔵、中央-軍事行政編制-95）
陸軍省 調製 『陸軍異動通報』。（防衛省防衛研究所蔵、中央-軍事行政異動通報-38, 39）
陸軍省 調製 『将校進級内報』。（防衛省防衛研究所蔵、中央-軍事行政異動通報-41）
第一二二師団 『部隊原簿』。（防衛省防衛研究所蔵、満洲-終戦時の日ソ戦-109）
厚生省援護局 『陸軍北方部隊略歴（その一）』、1963年。（防衛省防衛研究所蔵、中央-部隊歴史全般-28）
外山操 編 『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
外山操、森松俊夫 編『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
福川秀樹 『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
秦郁彦 編 『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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