第127師団 (日本軍)

第127師団

第127師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つであり、太平洋戦争末期の1945年1月16日に、満洲防衛強化を目的として編成されました。当時、多くの師団が満洲から南方戦線へ転用されていたため、満洲の防衛体制を立て直す必要がありました。この状況下で、第121師団から第128師団までの計8個師団が同時に編成され、第127師団もその一つとして誕生しました。

編成と配置

第127師団は、満洲の五家子に駐屯していた第9国境守備隊を基幹として編成され、第3軍に編入されました。その任務は、満洲東部国境の警備と防衛であり、ソ連軍の侵攻に備えることが主な目的でした。しかし、実際には、そのほとんどの部隊が本格的な戦闘を経験することはありませんでした。

戦闘経過

1945年8月9日、ソ連が対日参戦を開始すると、第127師団の一部部隊がソ連軍と交戦しました。特に五家子に駐屯していた歩兵第280連隊の一部と、水流峰に配置されていた部隊は、激しい戦闘を繰り広げました。これらの部隊は、8月19日頃まで持ちこたえましたが、この方面のソ連軍の進撃は比較的緩慢であったため、師団の大部分は本格的な戦闘を交えることなく停戦を迎えました。このため、第127師団は、その存在期間中に大規模な戦闘に参加することなく、その歴史を終えることとなりました。

師団概要

歴代の師団長は以下の通りです。

（心得）古賀龍太郎 少将：1945年1月20日 - 1945年3月1日
古賀龍太郎 中将：1945年3月1日 - 終戦

参謀長は広瀬清大佐が務め、1945年1月25日から終戦までその任にありました。

最終司令部構成は以下の通りです。

参謀長：広瀬清大佐
参謀：境正男少佐

最終所属部隊は以下の通りです。

歩兵第280連隊（宇都宮）：伊従秀夫大佐
歩兵第281連隊（水戸）：高畑洋平大佐
歩兵第282連隊（高崎）：友枝敬一大佐
野砲兵第127連隊
第127師団挺進大隊
第127師団通信隊
第127師団工兵隊
第127師団輜重隊
第127師団兵器勤務隊
第127師団病馬廠

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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