第128師団 (日本軍)

第128師団：満州の地で終戦を迎えた師団

第128師団は、太平洋戦争末期の1945年1月16日、満州防衛強化を目的として編成された大日本帝国陸軍の師団の一つです。当時、多くの師団が南方戦線へ転用されていたため、満州の守備兵力は手薄になっていました。その穴を埋めるべく、第121師団から第128師団までの8個師団が同時期に編成されることとなりました。

編成と配置

第128師団は、朝鮮半島へ転出した第120師団の残留者を基幹とし、さらに第1国境守備隊、第2国境守備隊、第11国境守備隊の一部を加えて編成されました。1945年4月10日に牡丹江省で編成を完了し、第3軍に編入されています。その後、独立混成第132旅団が指揮下に入り、師団主力は羅子溝付近に配置されました。この配置は、ソ連軍の侵攻に備えたものでした。

ソ連対日参戦と終戦

1945年8月9日、ソ連軍は満州へ侵攻を開始し、日ソ戦が勃発しました。第128師団は羅子溝の陣地でソ連軍の猛攻を受け、激戦を繰り広げました。しかし、ソ連軍の圧倒的な戦力差を前に、第128師団は支えきれず、8月13日から14日にかけて、羅子溝西方の樺皮旬子の陣地へ後退しました。その後、8月15日に停戦命令が発令され、第128師団はそのまま終戦を迎えることになりました。

師団概要

歴代師団長

（心得）水原義重 少将：1945年1月20日 - 1945年3月10日
水原義重 中将：1945年3月10日 - 終戦

参謀長

石橋忠雄 中佐：1945年1月25日 - 終戦

最終司令部構成

参謀長：石橋忠雄大佐
参謀：下川久少佐

最終所属部隊

歩兵第283連隊（金沢）：石丸繁雄大佐
歩兵第284連隊（富山）：松吉赳夫大佐
歩兵第285連隊（富山）：阿久刀川赳夫大佐
野砲兵第128連隊：勝又文雄少佐
第128師団挺進大隊
第128師団通信隊
第128師団工兵隊
第128師団輜重隊

まとめ

第128師団は、太平洋戦争末期に満州の防衛を担った師団であり、短期間の活動ではありましたが、ソ連軍との戦闘を経験しました。編成から終戦まで、激動の時代を駆け抜けた師団の一つと言えるでしょう。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

もう一度検索