第133師団 (日本軍)

第133師団の概要

第133師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）2月1日に、武漢地区の警備と治安維持を目的として編成されました。この師団は、同時期に編成された第131師団、第132師団と共に、現地の部隊から兵力を抽出して作られた丙師団でした。

編成と特徴

当初、第133師団は4個独立歩兵大隊から成る歩兵旅団を2個持ち、砲兵を欠いた編成でした。しかし、同年7月10日には師団砲兵隊が設けられ、戦力増強が図られました。この師団の基幹となったのは、満州に転用された第63師団や、後に杭州湾、満州へ転用された第70師団などからの抽出部隊でした。編成は桂州地区で行われました。

戦歴と終戦

編成後、第133師団は第6軍の指揮下に入り、第70師団の任務を引き継ぎ、寧波方面の治安警備を担当しました。終戦時にはこの地で迎えました。

師団の構成

師団長には野地嘉平中将が任命され、参謀長には樋沢一治中佐が着任しました。最終的な司令部構成は以下の通りです。

参謀長：樋沢一治大佐
参謀：塩川辰己少佐

所属部隊は、歩兵第99旅団（熊本）と歩兵第100旅団（熊本）を軸に構成され、各旅団には複数の独立歩兵大隊が配属されていました。

歩兵第99旅団（熊本）
独立歩兵第607大隊：中村此君生大尉
独立歩兵第608大隊：水崎久雄大尉
独立歩兵第609大隊：村木敏行大尉
独立歩兵第610大隊：鈴木正司大尉
歩兵第100旅団（熊本）
独立歩兵第611大隊：三浦己之助大佐
独立歩兵第612大隊：山下孝雄大尉
独立歩兵第613大隊：松井政一少佐
独立歩兵第614大隊：早木治文大尉

その他、師団通信隊、工兵隊、輜重隊、兵器勤務隊、野戦病院、病馬廠、砲兵隊などが編成されていました。

第133師団通信隊：霞堂哲生大尉
第133師団工兵隊：高桑利道大尉
第133師団輜重隊：砂走孝大尉
第133師団兵器勤務隊：横張利春中尉
第133師団野戦病院：星野宜士少佐
第133師団病馬廠：吉良幸逸大尉
第133師団砲兵隊：

まとめ

第133師団は、太平洋戦争末期の混乱期に、急遽編成された師団であり、その任務は占領地の治安維持にありました。編成から終戦まで短い期間でしたが、各地の部隊から兵力を抽出し、戦時下の日本軍の状況を反映しています。この師団の記録は、大日本帝国陸軍の末期における組織再編や、戦況の変化を理解する上で重要な資料となります。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
『別冊歴史読本 戦記シリーズNo.32 太平洋戦争師団戦史』、新人物往来社、1996年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

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