第14潜水戦隊

第14潜水戦隊（Submarine Squadron 14）

第14潜水戦隊（Submarine Squadron 14、通称SUBRON14）は、アメリカ海軍に所属した潜水艦部隊の一つです。その活動は第二次世界大戦から冷戦期にかけて展開され、特に戦略的抑止力の中枢を担う艦隊弾道ミサイル潜水艦部隊として重要な役割を果たしました。

沿革

第二次世界大戦の期間、戦隊の幕僚本部は潜水母艦「ブッシュネル」(USS Bushnel, AS-15)上に置かれました。また、1943年7月から9月にかけては、真珠湾にも分遣隊の幕僚本部が設置されていました。

第二次世界大戦終結後、第14潜水戦隊はスコットランド西部のホーリー・ロッホを主たる拠点として活動しました。この地は深く保護された泊地であり、かつて第二次世界大戦中に英国海軍の潜水艦基地として利用され、英国の潜水艦補給船「フォース」(HMS Forth, A187)がクライドにおける潜水艦訓練の支援を行っていた歴史を持つ場所です。戦隊がホーリー・ロッホを拠点とした主な目的は、核戦略の要となるポラリスおよびその後継であるポセイドン弾道ミサイルを搭載した艦隊弾道ミサイル（FBM）潜水艦の運用と支援でした。戦隊は大西洋潜水艦隊（Submarine Force, U.S. Atlantic Fleet, ComSubLant）の一部として位置づけられました。戦隊のホーリー・ロッホへの展開は、1961年3月3日に艦隊弾道ミサイル補修サイト1（FBM Refit Site 1）に到着したことに始まり、1992年6月にこの地を離れるまで続きました。戦隊所属の潜水艦だけでなく、その運用を支える多岐にわたる支援船艇もホーリー・ロッホに配置されました。これらには、最初に配備された潜水母艦「プロテウス」(USS Proteus, AS-19)をはじめとする潜水母艦、複数のタグボート、各種はしけ、小型艇、そして大型の浮きドック「ロスアラモス」(Los Alamos, AFDB-7)などが含まれていました。

1978年後半から1991年11月までの間、戦略ミサイル潜水艦「ウィル・ロジャース」がホーリー・ロッホのサイト1に前方展開していました。この「ウィル・ロジャース」は、戦隊が非活性化される前にホーリー・ロッホを離れた最後の潜水艦となりました。

主な配属艦船・支援船艇

ホーリー・ロッホにおける第14潜水戦隊の活動を支えた主な艦船や設備は以下の通りです。

潜水母艦: ホーリー・ロッホにおける潜水艦の整備・補給・乗員の休養などの重要な役割を担いました。歴代の潜水母艦とその配属期間は以下の通りです。
「プロテウス」(USS Proteus, AS-19) - 1961年3月～1963年3月
「ハンリー」(USS Hunley, AS-31) - 1963年3月～1966年7月および 1982年1月～1987年6月
「サイモン・レイク」(USS Simon Lake, AS-33) - 1966年7月～1970年5月および 1987年6月～1992年6月
「カノープス」(USS Canopus, AS-34) - 1970年5月～1975年11月
「ホランド」(USS Holland, AS-32) - 1975年11月～1982年1月

タグボート: 港内での艦船の移動支援などに使用されました。確認されているタグボートには以下があります。
ナティック (Natick, YTB-760)
アポプカ (Apopka, YTB-778)
ソーガス (Saugus, YTB-780)
ピクァ (Piqua, YTB-793)

その他の支援船・設備: 戦隊の運用を多角的に支えました。
「ロスアラモス」(Los Alamos, AFDB-7): 潜水艦の修繕などに用いられた大型の浮きドックです。
YFNB-31: ボート運用部門が使用した、居住・作業用の艀。
YFNB-42: 民間技術員や潜水艦乗員が一時的に居住するための、居住・作業用の艀。
YD-245: 浮き式のクレーン艀。
* 小型舟艇: 岸壁と艦船の間での人員や物資輸送のために多数運用されました。これらには、40フィート（約12メートルおよび約15メートル）のユーティリティボート、上陸用舟艇であるLCM Mk6およびMk8（一部には人員輸送用の屋根付き船倉が設置）、32フィート（約9.8メートル）の将校用モーターボートが含まれていました。部隊のダイバー用にLCM Mk6を改造したダイビングボートもありました。また、「ボックスL」として知られる出自不明のボートも存在しました。

ポラリス・ミリタリー・タータン

第14潜水戦隊には、独自のタータンが存在します。この「ポラリス・ミリタリー・タータン」の発想は、1960年代初頭に戦隊の代将を務めていたウォルター・F.シュライヒ大佐によるものです。タータンのデザインは、スコットランドのストローンに住むアレクサンダー・マッキンタイアが手がけました。基本的な模様はブラックウォッチタータンと同じですが、その上に黄色・黒・スカイブルー・黒・黄色のオーバーチェックが、それぞれ4スレッドずつ加えられています。このスカイブルーと黄色は、艦隊弾道ミサイル潜水艦の乗組員がブルーチームとゴールドチームに分かれて交互に乗務する体制を象徴していると言われています。この特別なタータンは、現在、アメリカ海軍兵学校のバグパイプ隊のメンバーによって着用されています。

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