第16回参議院議員通常選挙

第16回参議院議員通常選挙概要

第16回参議院議員通常選挙は、1992年7月26日に日本で行われた国会の選挙であり、宮澤内閣にとって初めての国政選挙となりました。自民党は前回の選挙で36議席の敗北を喫し、議席を大幅に減少させたことから、今回の選挙では第1党としての地位を維持することが大きな焦点となりました。

選挙に先立ち、阿部文男元長官の逮捕や佐川急便事件が影響し、民意が内閣に対して厳しい状態が続いていました。支持率は20～30％台に低迷し、政権存続への懸念が高まっていました。しかし、竹下派の支援も受け、政権はPKO国会を乗り切りました。PKO協力法を巡る議論が選挙の重要な争点となり、新党の台頭にも注目が集まりました。

選挙結果は、自民党が69議席を獲得し、党勢の復調を示しましたが、単独で過半数を制するには至りませんでした。一方で、参院選や衆院選で躍進していた日本社会党は大きく議席を減少させ、連合の会は議席を獲得できませんでした。社会党の停滞には、PKO協力法に対する賛否の対立が影響し、選挙協力が進まなかったことが挙げられます。

東京都選挙区では、PKO協力法賛成を明示した森田健作が複数の党の推薦候補として立候補しましたが、これに対する社会党支持者の反発も見られました。広島県においても、社会党左派が「護憲・ヒロシマの会」を結成し、栗原君子を擁立して当選させました。

この選挙から約1年後、自民党は衆議院での単独過半数を失い、日本新党代表の細川護煕を首相とする新たな内閣が発足しました。これによって、自民党は初めて野党となり、38年続いた55年体制が崩壊しました。

選挙データ

• - 内閣: 宮澤内閣（第78代）
• - 公示日: 1992年7月8日
• - 投票日: 1992年7月26日
• - 改選数: 126議席（埼玉県選挙区の補充議席を含む）

投票率

• - 選挙区投票率: 50.72%（前回比：14.30%）
• - 比例区投票率: 50.70%（前回比：14.31%）

政党別獲得議席

自民党の69議席獲得に対し、以下の政党は議席を減少させました。

• - 日本社会党
• - 日本新党
• - 公明党

主な争点

選挙での主要な争点は、国際連合の平和維持活動への協力に関する法律（PKO協力法）の是非でした。これにより各党の立ち位置が鮮明になり、国内の政治情勢に大きな影響を与えました。

総括

この第16回参議院議員通常選挙は、日本政治の動向において重要な節目となり、自民党の議席回復や、日本新党の登場など、政党間の力関係に変化をもたらした歴史的な選挙でした。特に、55年体制の終焉が予見される中で、新たな政治の流れが模索されることとなります。

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