PKO国会

PKO国会（ぴーけーおーこっかい）について

PKO国会とは、1992年に日本の国会で行われた国際平和協力法案（PKO法案）を巡る審議のことを指しています。この審議では、法案の成立を目指した与党と反対する野党との間で激しい論戦が展開されました。特にこの年は、湾岸戦争後の国際情勢を受けて、日本の国際協調主義が試される重要な時期でした。

背景

1990年の湾岸戦争において、日本はアメリカ合衆国をはじめとする多国籍軍を支持し資金援助を行いましたが、その後批判が高まりました。このことが原因となり、自衛隊の海外派遣を可能にする法案が自民党（当時の政権党）によって提出されることとなりました。

政治的対立

法案に対しては、日本社会党や日本共産党、社会民主連合が強く反対しました。これには、日本社会党が自衛隊派遣を文民に限る代案を提出し、自民党と公明党、民社党は一度は合意に達したものの、最終的に自衛隊を中心に据えた法案に戻すことになりました。これは、政治的な思惑や選挙情勢が影響した結果であったとされています。

審議及び成立過程

法案は、自民党の幹事長であった小沢一郎を中心に毎晩のように各党の代表が集まり、調整作業が行われました。この過程では、寿司屋やカラオケなどで意見を交わしつつ、議論の活性化を図ったと伝えられています。その結果、自公民三党の合意が形成され、法案の通過に向かうことができました。

1991年11月27日には衆議院で可決されたものの、その後は継続審議に回されました。宮澤喜一内閣において、国対委員長を変更しながら国会体制を強化する施策が取られました。そして1992年6月に、参議院及び衆議院で法案が可決され、ついに成立を見ました。

野党の抵抗

法案成立を巡っては、社会党が徹底抗戦を繰り広げました。彼らは議事妨害を行い、辞職届を出して解散を試みるなど必死の抵抗を展開しました。しかし、議長がこれを受理しなかったため、作戦は失敗に終わりました。また、野党は各閣僚への不信任決議案を提出し、与党との議論の引き伸ばしを図りましたが、内閣は信任決議を出し対応しました。

法案成立後

法案が成立した直後に、国連事務総長であるガリ氏が国際的な軍事能力強化を訴える声明を出しました。これに対し、自公民は速やかに法案の成立を進めることで、影響を受けないようにしたとされています。さらに、翌年の選挙では、自民党が早期の立ち直りを見せ、PKO法案に対する信任を得た形となります。このようにして、日本は初めて自衛隊を海外へ派遣することとなりました。

結論

PKO国会は、日本の国際的な役割の変化を示す重要な政治的出来事であり、国内外において大きな波紋を呼び起こしました。この法案の成立は、国際平和活動への自衛隊の関与を可能にする重要な一歩であり、今後の国際貢献の基礎となっています。

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