第171回国会

第171回国会の概要

第171回国会は2009年1月5日に召集された通常国会であり、2008年度の第2次補正予算案および2009年度予算案が中心的な議題となりました。会期は、7月21日の衆議院解散までの198日間に設定されました。

召集の背景

今国会が召集された理由は、2つの予算案を早期に成立させるためでした。特に、2008年度の第2次補正予算案は、前の国会から持ち越されており、政府と与党はこの国会の冒頭での成立を強く望んでいました。また、1992年から続く通常国会が1月に召集されるようになってから、最も早い期日での召集となりました。

予算案の成立

2009年4月10日、政府は総事業費が56兆8千億円に上る「経済危機対策」を正式に決定しました。この中で、財政支出は15兆4千億円に達し、国内総生産（GDP）の約3%に相当します。与党は、2009年度補正予算を早急に提出する方針を取り、景気回復後には消費税を引き上げる可能性も示唆しました。

会期の延長

元々会期は6月3日までの150日間で設定されていましたが、2009年度補正予算関連法案や海賊対処法案の成立を万全にするため、7月28日まで延長することが決定されました（国会法第10条による）。

各党の動き

また、この国会は、議員の中に大正生まれの者が在任していた最後の国会でもあります。特に注目すべきは、渡辺喜美元行政改革担当大臣の自民党離党です。彼は自党からの勧告処分を受けて、自らの意見を主張し続けるために無所属の立場で活動し、「国民運動体 日本の夜明け」という新しい政治団体を立ち上げました。

主な成立議案

この国会では数多くの法案が成立しました。主なものには、2008年度一般会計の第二次補正予算（1月27日）、2009年度予算・関連法（3月27日）、公共サービス基本法（5月13日）、海賊行為への対処に関する法律（6月19日）、水俣病救済特別措置法（7月8日）などがあります。

重要な出来事

この国会では、経済危機に対する政府の対応が強調されたことから、各種法案が採決される際に、与党と野党の間で熾烈な攻防が繰り広げられました。特に8日には海賊対処自衛隊派兵新法案が議論され、様々な反対意見と共に法案が可決されました。また、年金関連法案が可決され、未払い年金に対する支給が強化されることが決まりました。

解散の影響

7月21日、麻生太郎内閣総理大臣が衆議院を解散し、第45回[[衆議院議員総選挙]]の準備が始まりました。この解散により、17本の内閣提出法案と97本の議員立法が廃案となったため、国会の空転が話題になりました。解散前には、民主党や共産党が内閣に対する不信任案を提出し、自民党や公明党の反対多数で否決されるなど、国会内の緊張が高まりました。

結論

第171回国会は、日本の経済対策や様々な政策の議論が展開され、多くの重要法案が成立した一方で、政治的な対立が顕在化した国会でした。次の衆議院選挙に向けた動きが見え始めることで、国会の役割の重要性が再認識されることとなります。

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