第172歩兵旅団 (アメリカ軍)

第172歩兵旅団の歴史と編成

第172歩兵旅団は、かつてアメリカ陸軍に所属していた重要な旅団であり、イラク戦争や冷戦時代を含む多くの歴史的イベントに関与してきました。以下では、彼らの概要や編成、活動について詳述します。

概要

この旅団は1917年に設立され、当初はアメリカ国民軍の一部としてロックフォードで編成されていました。1918年には第一次世界大戦に参加すべくフランスに展開しましたが、戦闘には参加せず、帰国後1919年に編成が解除されました。その後、1945年の第二次世界大戦では、第86偵察隊として欧州戦線に投入され、戦後は機械化部隊として再編成されました。

冷戦期の再編成

1960年代にはアメリカ陸軍全体で再編成計画が進み、その一環として旅団が再導入されました。1963年には第86機械化偵察隊が第172歩兵旅団に改編され、1963年7月にアラスカ州フォート・リチャードソンにおいて新たな編成が完了しました。この時点での旅団の構成は、軽歩兵大隊、機械化歩兵大隊、戦車大隊から成り立っていました。

この後、1986年には再び編成解除され、第6歩兵師団にその人員と装備が引き継がれました。

1990年代の国際任務

1990年代後半には新たに独立した旅団として再編成され、1998年にはアラスカ軍の支援部隊として復帰しました。その後、2001年に新しいインターリム旅団戦闘団に改編され、これは後にストライカー旅団戦闘団と呼ばれることになります。2005年にはイラクに派遣され、モースルに駐屯し、対反乱作戦を実施しました。この派遣においては、兵士たちは多くの困難に直面し、26名の戦死者と350名の戦傷者を出しました。

ヨーロッパでの活動

イラクから帰還後、旅団は再び編成解除されましたが、その後もアメリカ欧州陸軍において重要な役割を果たしました。2008年にはドイツのグラーフェンヴェーアに移転し、新たに重旅団戦闘団として再編成されました。2008年末からは再びイラク派遣を開始し、2013年5月31日にはドイツで閉隊しました。

編成内容

2010年12月時点での第172歩兵旅団戦闘団の編成は以下の通りです：

• - 旅団司令部中隊
• - 3-66機甲大隊
• - 1-2歩兵大隊
• - 2-28歩兵大隊
• - 1-77野戦砲兵大隊
• - 第9工兵大隊
• - 第172旅団支援大隊
• - 第5騎兵連隊E中隊
• - 第57通信中隊
• - 第504軍事情報中隊

この旅団は、約3,800名の兵士によって構成されており、全ての部隊がドイツ・グラーフェンヴェーアに駐屯していました。

結論

第172歩兵旅団は、アメリカ陸軍において多くの歴史的な役割を果たしてきた部隊です。その活動は第一次世界大戦からイラク戦争に至るまで、多岐にわたります。各時代の戦略や編成の変遷を通じて、アメリカ陸軍の一翼を担ってきたことが評価されています。

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