第22回社会人野球日本選手権大会

第22回社会人野球日本選手権大会

1995年10月7日から10月15日までの期間、兵庫県のグリーンスタジアム神戸にて、社会人野球の頂点を争う第22回日本選手権大会が開催されました。

大会の特徴

この年の夏、都市対抗野球を制覇した強豪・日本石油は、関東予選の厳しい戦いを勝ち抜き本大会への出場権を得ましたが、本戦では初戦敗退という波乱の結果に終わりました。夏の覇者が秋のタイトルを連続で獲得することの難しさを改めて示す形となりました。

今大会の最大のトピックは、三菱自動車グループの躍進です。特に三菱重工名古屋から分離し、全国大会初出場を果たした三菱自動車岡崎が快進撃を見せました。さらに、三菱自動車川崎、三菱自動車京都も勝ち進み、準決勝には三菱自動車勢から実に3チームが進出。同一企業グループから3チームがベスト4に顔を揃えるのは、社会人野球日本選手権史上初の出来事であり、大会に大きなインパクトを与えました。

また、北海道のたくぎんは、この大会が10度目の出場となりましたが、翌年に経営状況の悪化に伴う休部が発表されたため、結果的に本大会が最後の出場機会となりました。チームにとって、惜別となる節目の大会となりました。

三菱自動車川崎の圧倒的な強さ

今大会を象徴したのは、優勝を飾った三菱自動車川崎の驚異的な打線でした。チームは5試合を戦い抜く中で、なんと4試合で2桁得点を記録するという圧倒的な攻撃力を見せつけました。特に、通算64得点という記録は、現在に至るまで破られていない大会最多得点記録であり、その破壊力が際立っていました。

決勝戦

大会の頂点を決める決勝戦は、10月15日に行われました。対戦カードは、快進撃を見せた三菱自動車川崎と、同じ三菱自動車グループの三菱自動車京都。兄弟対決となった一戦は、三菱自動車川崎が勝利を収め、チームとして初の日本選手権優勝を果たしました。

個人・チーム表彰

大会終了後、以下のように主要な表彰選手が選出されました。

最高殊勲選手賞: 玉木重雄（投手、三菱自動車川崎）
敢闘賞: 森憲久（投手、三菱自動車京都）
打撃賞: 斉藤秋博（内野手、三菱自動車川崎）
首位打者賞: 永井康彦（内野手、日本新薬）および 橋本久（内野手、NTT四国） - いずれも11打数6安打で打率.545

また、ポジションごとに優秀選手が選ばれました。三菱自動車川崎からは、投手の玉木、捕手の伊藤、一塁手の西郷、二塁手の桑元、遊撃手の斉藤、外野手の梶山、指名打者の山田が選出されるなど、優勝チームから多くの選手が名を連ねました。準優勝の三菱自動車京都からも、投手の森、三塁手の塚田が選ばれています。

大会が記録した数字

第22回大会では、いくつかの特筆すべき記録が生まれました。

チーム大会通算得点: 64点。優勝した三菱自動車川崎が5試合で達成し、現在も大会記録として残っています。
全員安打: 2チームが達成。
三菱自動車川崎が2回戦のJT戦で記録。
日本IBM野洲が2回戦の新日本製鐵名古屋戦で記録。
1試合チーム最多塁打: 38。三菱自動車京都が記録。
1試合個人最多塁打: 11（タイ記録）。三菱自動車川崎の斉藤秋博選手が決勝戦で記録しました。
* 1試合チーム最多盗塁: 7（タイ記録）。三菱自動車川崎が2回戦のJT戦で記録しました。

このように、第22回社会人野球日本選手権大会は、三菱自動車グループの歴史的躍進と、三菱自動車川崎による記録的な猛打での初優勝が特に印象深い大会となりました。

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