第23回国民体育大会

第23回国民体育大会：明治百年の節目に輝いた福井国体

1968年、日本の国民体育大会は第23回を迎えました。この大会は、明治百年記念という特別な節目に開催されたことから、『明治百年記念第二十三回国民体育大会』という正式名称で、福井県を主会場として盛大に行われました。福井県の人口は当時約75万人。人口100万人以下の県での開催は初めてであり、県全体が一体となって準備を進めました。

県民総参加の温かいおもてなし

限られた資源の中で、大会を成功させるために、福井県民は「真心で足りないところを補おう」という精神で取り組んだといいます。その結果、大会は『親切国体』として称賛され、大きな成功を収めました。天皇皇后両陛下もご臨席され、入場行進では「この明るさの中にゆけ」「イッチョライ節」「福井音頭」といった音楽が奏でられました。

冬季大会：北海道と長野で熱戦

冬季大会は、スケート競技が北海道帯広市で、スキー競技が長野県白馬村で開催されました。白馬村でのスキー競技会は「清新・協調・歓喜」をテーマに「心をこめて迎えよう白馬国体」というスローガンを掲げ、多くの選手たちが熱い戦いを繰り広げました。

夏季・秋季大会：福井県各地で多彩な競技

夏季と秋季の競技は福井県各地の会場で行われました。水泳、漕艇、ヨットといった水上の競技から、陸上競技、サッカー、テニス、バレーボールなど、実に多様な競技が開催され、福井県各地の熱気に包まれました。会場は、福井運動公園、久々子湖、三国ヨット競技場など、福井県を代表する場所が選ばれました。

秋季大会では、陸上競技、サッカー、テニスをはじめ、ボクシング、バレーボール、体操、バスケットボール、レスリング、ウェイトリフティング、ハンドボール、自転車競技、ソフトテニス、卓球、軟式野球、相撲、馬術、フェンシング、柔道、ソフトボール、バドミントン、弓道、ライフル射撃、剣道、ラグビー、クレー射撃、高校野球など、多くの競技が県内の様々な場所で実施されました。

これらの競技会場は、福井運動公園陸上競技場、福井県立三国高等学校グラウンド、福井運動公園庭球場、朝日町営グランドなど、福井県内の様々な場所が利用されました。

大会結果とその後

大会の結果、天皇杯は福井県、皇后杯は東京都がそれぞれ獲得しました。東京都が2位、埼玉県が3位という結果も注目すべき点です。また、1967年には大会ポスターの公募で不正が発覚する出来事がありましたが、迅速な対応で事態を収拾し、大会の成功に繋げました。

第23回国民体育大会は、明治百年の記念すべき年に、福井県民の熱意と真心によって支えられ、大きな成功を収めた大会となりました。その様子は、『国民体育大会の歩み』、『第23回明治百年記念国民体育大会報告書』、『福井県大百科事典』などの資料に詳細に記録されています。この大会は、地域住民の結束と一体感を高め、国民体育大会の歴史に大きな足跡を残しました。

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