第24期順位戦

第24期順位戦と第29期名人戦

将棋の歴史において、昭和45年度にあたる1970年度（実際には1969年6月から1970年3月にかけて）に開催された第24期順位戦は、将棋界最高峰のタイトルである名人への挑戦権を争う予選棋戦として、その重要性を持ちます。この順位戦を通じて、棋士たちは厳しい昇級・降級のシステムの中で己の地位をかけ、来るべき名人戦を目指しました。

また、この期間には、順位戦の最終目標である第29期名人戦七番勝負が行われました。当時の名人位保持者であった大山康晴名人に、順位戦を勝ち抜いた灘蓮照八段が挑戦する形となりました。この注目の七番勝負は、両者の意地とプライドがぶつかり合う激戦となりましたが、結果は大山名人が4勝1敗で灘八段を退け、見事に名人位の防衛を果たしました。

第24期順位戦のクラス別概要

第24期順位戦は、棋士の実力に応じていくつかのクラスに分かれ、年間を通じてリーグ戦が行われました。各クラスの成績によって次期のクラスが決まるという厳しい制度が敷かれており、棋士にとっては年間最大の目標の一つでした。各クラスの主な規定は以下の通りです。

A級
名人挑戦権を争う最上位クラスです。ここでは、リーグ戦を勝ち抜いた成績最上位者1名が、現役名人への挑戦者となります。一方、最も成績の悪かった1名がB級1組へと降級するという、昇級・降級枠が非常に限られた厳しいクラスでした。

B級1組
A級に次ぐクラスで、昇級争いも降級争いも激しく展開されます。この期においては、成績優秀者上位2名がA級へと昇級することができました。また、成績下位2名がB級2組へ降級となります。

B級2組
B級1組への昇級を目指すクラスです。ここで好成績を収めた上位2名がB級1組へと昇級します。このクラスからは降級点制度が導入されており、成績不振の棋士に降級点が与えられます。第24期では、5名の棋士に降級点が付きました。そして、降級点を2点累積した棋士は、C級1組へと降級することになります。

C級1組
B級2組への昇級を目指すクラスです。上位2名がB級2組へと昇級します。このクラスでも降級点制度が適用され、成績下位の4名に降級点が与えられました。降級点を2点累積すると、C級2組へ降級となります。

* C級2組
順位戦の最も下位に位置するクラスです。C級1組への昇級を目指し、上位2名が昇級を果たします。このクラスにも降級点制度があり、成績不振者4名に降級点が与えられました。C級2組で降級点を3点累積すると、順位戦のリーグから陥落（当時の制度における降級）となります。

このように、第24期順位戦は各クラスにおいて、昇級をかけた熱戦と降級を回避するための厳しい戦いが繰り広げられました。そして、その頂点で名人挑戦権を獲得した者が、大山名人に挑む第29期名人戦へと駒を進めたのです。これらの棋戦は、当時の将棋界の勢力図を形作る上で、極めて重要な役割を果たしました。

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