第26師団 (日本軍)

大日本帝国陸軍 第26師団：激戦と終焉の記録

第26師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つとして、1937年9月、中国・山西省大同の警備を目的として編成されました。特筆すべきは、日本で初めて編成された「三単位編制師団」であった点です。これは、独立混成第11旅団を基幹とし、隷下の歩兵連隊も独立混成旅団の名称を引き継いでいたことに由来します。

当初は北支での任務に従事し、綏遠や包頭の攻略戦に参加しました。その後、1938年1月からは駐蒙兵団の指揮下に入りました。比較的平穏な時期が続いた後、運命の転換期が訪れます。1944年7月、第26師団はフィリピン戦線への転用が決定されました。ヒ71船団による輸送中に大きな損害を受けながらも、マニラへ移駐。レイテ島の戦いに投入されますが、輸送船団が予定よりも早く出航したため、多くの装備や物資を失うという不運に見舞われました。さらに、後続の補給船団も撃沈され、著しく戦力が低下した状態での戦闘を強いられました。

劣勢の中、米軍との激戦が繰り広げられ、第26師団は壊滅的な打撃を受けました。師団長以下多くの将兵が戦死し、生き残った部隊はカンギポット山中で終戦を迎えます。一方、レイテ島の本隊を追撃できなかった独立歩兵第11連隊は、ルソン島のバレテ峠で戦闘を続けました。

師団概要と主要人物

第26師団の歴史を語る上で、歴代師団長と参謀長の功績は無視できません。師団長には後宮淳中将、黒田重徳中将、矢野音三郎中将、柴山兼四郎中将、佐伯文郎中将、山県栗花生中将、栗栖猛夫少将らが歴任しました。特に山県中将と栗栖少将は、レイテ島での戦闘において戦死しています。参謀長も、白銀重二航空兵中佐、長勇歩兵大佐、黒田茂砲兵大佐、萩三郎大佐、加藤芳寿大佐が務め、加藤大佐も戦死しています。これらの将兵の勇猛果敢な戦いぶりと悲劇的な最期は、第26師団の歴史に深く刻まれています。

編制と隷下部隊

1937年の編成当初、第26師団は第26歩兵団、独立歩兵第11連隊、独立歩兵第12連隊、独立歩兵第13連隊、独立野砲兵第11連隊、工兵第26連隊、輜重兵第26連隊、師団捜索隊、通信隊、兵器勤務隊、野戦病院、病馬廠などで構成されていました。1943年3月には歩兵団が復員し、歩兵連隊は師団直轄となりました。終戦時の隷下部隊は、独立歩兵第11連隊（津田佃大佐）、独立歩兵第12連隊（今堀銕作大佐）、独立歩兵第13連隊（森岡信之丞大佐）、独立野砲兵第11連隊（馬場喜重大佐）、工兵第26連隊（品川弥治中佐）、輜重兵第26連隊（新村理市大佐）などです。これらの部隊は、それぞれ異なる場所で激戦を繰り広げ、多くの犠牲を払いました。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年

この記述は、上記参考文献などに基づき作成されています。第26師団の激戦の歴史は、日本軍の太平洋戦争における苦闘を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。彼らの犠牲を後世に語り継いでいくことが重要です。

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