第265海兵中型ティルトローター飛行隊

第265海兵中型ティルトローター飛行隊（VMM-265）：ドラゴンズの軌跡

アメリカ海兵隊の第265海兵中型ティルトローター飛行隊（VMM-265）は、MV-22オスプレイを運用する精鋭部隊として知られています。沖縄県の普天間基地に所属し、第36海兵航空群（MAG-36）および第1海兵航空団（1stMAW）の指揮下で活動しています。

部隊の起源と変遷

1962年10月1日、ノースカロライナ州でHMM-265として創設されました。当初はUH-34ヘリコプターを運用し、公民権運動や夜間襲撃戦術の試験に携わりました。その後、シー・ナイト（CH-46）の運用を開始し、1964年には新しい部隊章を発表。日本語の「竜」をモチーフにしたデザインは、2007年まで使用されました。

ベトナム戦争での活躍

1966年、ベトナム戦争に投入。CH-46Aヘリコプターで兵員や物資の輸送、戦闘支援を行い、数々の作戦に参加しました。ヘイスティングス作戦では、ヘリコプター事故により多くの犠牲者が出ましたが、その後もメコン作戦、プレーリー作戦など重要な作戦に貢献。特殊上陸部隊（SLF）として、海岸沿いのベトコン掃討作戦にも従事しました。3年間のベトナム展開後、27名の戦死者を出して帰還しました。

冷戦時代と湾岸戦争

1977年、ハワイ州で再編され、太平洋における活動を継続。西太平洋への展開、様々な演習や訓練を通して戦闘能力を磨きました。湾岸戦争では、砂漠の盾作戦、シー・ソルジャー4作戦に参加。クウェートへの陽動作戦で、敵の注意をそらし、成功に貢献しました。戦争終結後には、バングラデシュでのシー・エンジェル作戦で人道支援活動に従事しました。

現代における活動

1990年代以降は、沖縄を拠点に活動。大統領警護任務の支援、カンボジアでのフル・アカウンティング作戦（ベトナム戦争戦没者遺骨収集）への参加など、幅広い任務を遂行。イラク戦争、対テロ戦争にも参加し、現在もMV-22オスプレイによる強襲輸送、戦闘支援等、第一線で活躍を続けています。2017年にはオーストラリア沖でMV-22オスプレイの墜落事故が発生しましたが、乗員の大半は救助されました。

数々の受賞と高い安全記録

VMM-265は、その卓越した功績と高い安全記録から、海兵隊航空協会のスクワドロン・オブ・ザ・イヤーや海軍作戦部長航空安全最優秀賞を何度も受賞しています。6万時間以上の無事故飛行時間を達成したことも特筆すべき点です。

まとめ

第265海兵中型ティルトローター飛行隊は、創設以来、数々の戦争や紛争、人道支援活動にたずさわってきました。常に高い戦闘能力と安全性を維持し、世界各地でその存在感を示し続けている、アメリカ海兵隊を代表する精鋭部隊の一つと言えるでしょう。 その歴史と功績は、海兵隊の誇りと伝統を象徴するものです。

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