第3回ニューヨーク映画批評家協会賞

第3回ニューヨーク映画批評家協会賞

第3回ニューヨーク映画批評家協会賞は、1937年にアメリカ合衆国で公開された多数の映画作品の中から、特に芸術性や技術面で優れていると批評家たちが判断した作品およびその制作に関わった人々を讃えるために授与された賞です。この栄誉ある賞の選考結果は、1937年の年末にあたる12月30日に広く発表されました。そして、受賞者への正式な贈呈は、年が明けた1938年1月9日に催されました。

この年の選考では、いくつかの主要な部門において、その後の映画史にも名を残すような傑出した作品や演技、監督の手腕が高く評価されました。

主要な受賞結果は以下の通りです。

作品賞（Best Film）
『ゾラの生涯（The Life of Emile Zola）』

栄えある作品賞には、フランスの著名な作家エミール・ゾラの波乱に満ちた生涯を描いた伝記映画『ゾラの生涯』が輝きました。この作品は、人間の尊厳や社会正義といった普遍的なテーマを扱い、観客や批評家から大きな共感を得ました。

主演男優賞（Best Actor）
ポール・ムニ（Paul Muni） - 『ゾラの生涯』

作品賞を受賞した『ゾラの生涯』で、主人公エミール・ゾラを見事に演じきったポール・ムニが主演男優賞を受賞しました。彼の繊細かつ力強い演技は、役柄の苦悩や情熱を見事に表現しており、批評家たちから絶賛されました。

主演女優賞（Best Actress）
グレタ・ガルボ（Greta Garbo） - 『椿姫（Camille）』

主演女優賞は、アレクサンドル・デュマ・フィスの名作小説を映画化した『椿姫』で、悲劇のヒロイン、マルグリット・ゴーティエを演じたグレタ・ガルボに贈られました。彼女の魅惑的でありながらも儚さを感じさせる演技は、観る者に深い感動を与えました。

監督賞（Best Director）
グレゴリー・ラ・カーヴァ（Gregory La Cava） - 『ステージ・ドア（Stage Door）』

監督賞には、ブロードウェイの舞台女優を目指す若者たちを描いた群像劇『ステージ・ドア』を手がけたグレゴリー・ラ・カーヴァが選ばれました。彼は登場人物たちの複雑な心情や関係性を巧みに描き出し、生命力あふれる作品世界を創り上げました。

外国映画賞（Best Foreign Film）
『うたかたの戀（Pépé le Moko）』 （フランス）

アメリカ合衆国以外の国で制作された優れた映画に贈られる外国映画賞は、フランス映画『うたかたの戀』が受賞しました。ジャン・ギャバン主演によるこの作品は、アルジェのカスバを舞台にした犯罪ドラマであり、その後のフィルム・ノワール作品にも影響を与えたとされる傑作です。当時のフランス映画界の質の高さを世界に示す受賞となりました。

第3回ニューヨーク映画批評家協会賞は、このように1937年の映画界を代表する素晴らしい作品や才能を公正に評価し、その功績を称える重要な機会となりました。ここで選ばれた作品や個人は、その後の映画史においても高く評価され続けています。

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