第3回衆議院議員総選挙

第3回衆議院議員総選挙の概要

第3回衆議院議員総選挙は、1894年3月1日に実施された日本の帝国議会における衆議院議員を選出する重要な選挙です。この選挙は、前回の選挙での影響を引きずりつつ、新たな政局を形成するための舞台となりました。

選挙前の政治状況

この選挙の背景には、前回の選挙における選挙干渉の影響があります。第2回[[衆議院議員総選挙]]では、内務大臣の品川弥二郎が選挙に強い干渉を行ったことで政権が失脚しました。その後、彼は吏党系の議員を再結集させ「国民協会」を設立しました。しかし、政治情勢は複雑であり、吏党側は内部で分裂し、一部が民党側に接近する動きも見られました。このような状況の中で、伊藤内閣が新たに樹立されると、国民協会内部ではその方針に対する不満が増加していきました。

政党の状況

一方、民党側では自由党と立憲改進党との間で対立が顕在化しました。自由党は、藩閥が妥協するならば協力を考える姿勢を見せていましたが、立憲改進党は藩閥に対する徹底した対抗姿勢を堅持していました。このような対立が選挙戦にどう影響するかが注目されました。

外交政策と議会の動き

この選挙の際、伊藤内閣は外務大臣の陸奥宗光の下で治外法権の解消を目的とした条約改正に取り組んでいました。しかし、国民協会の国粋主義者たちは、満足な条件が整わないままの改正に反対し、「条約励行論」を掲げました。この動きにより、伊藤内閣への不満は官民を問わず広がっていきました。

選挙の実施

選挙は、1893年12月30日に衆議院解散が宣言された後、1894年3月1日に行われました。当選者は689人の立候補者から選ばれ、最終的に440,113人の有権者のうち88.76%が投票に参加しました。本選挙では、前回のような大規模な選挙干渉は回避されましたが、硬六派、特に国民協会への圧力がかかる結果となりました。

選挙結果

結果として、吏党は議席を削減しましたが、自由党は議席数を大幅に増加させ、立憲改進党も若干の増加を見せました。特に自由党は、政府に敵対する立場を取らず、政府の目下の敵視を免れて議席を獲得しました。これに対して立憲改進党も改善を見ましたが、全体としては新政権の支持基盤は依然として不安定なものでした。

伊藤内閣はこの選挙結果により議会での明確な支持勢力を得られず、わずか3ヶ月後には再度の解散を余儀なくされることになりました。これにより、日本の政治における政党間の対立と動揺が再び浮き彫りになりました。

このように、第3回衆議院議員総選挙は、政治的変動や権力の移動の中で行われたものであり、後の日本の政治情勢に多大な影響を与えることとなりました。

もう一度検索