第3独立親衛特殊任務旅団 (ロシア陸軍)

第3独立親衛特殊任務旅団の概要

第3独立親衛特殊任務旅団（3 гв.обрСпН）は、ロシア陸軍に所属する特殊任務旅団で、中央軍管区の指揮下にあります。この旅団は、特殊作戦を専門とする部隊であり、その歴史は1944年にまでさかのぼります。ここでは、旅団の成立から現在に至るまでの歴史、主な任務、そして編成について詳述します。

歴史の沿革

旅団の歴史は、1944年3月26日に設立された第5独立オートバイ連隊の創設記念日から始まります。その後、1957年にはドイツ駐留ソ連軍にて第26独立特殊任務大隊が編成され、1966年には複数の部隊を統合して第3独立親衛特殊任務旅団が成立しました。

1980年代には、NATO軍のミサイルを発見し打撃する任務を担い、48個の偵察グループを配備していました。1990年には、東ドイツのヒュルステンベルクからサマラ市のチェルノレーチエへ移転し、1992年から1993年にかけてはタジキスタンでの戦闘活動にも参加しました。また、1995年にはチェチェンでの戦闘にも従事しました。

2010年末にはトリヤッティに移転し、以降は特にウクライナに関連する戦争において重要な役割を果たしています。具体的には、2014年以降のドンバス戦争や2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻にも参加しました。

主な事件

2015年5月16日、ウクライナ軍との接触において、旅団の兵士2名が捕虜となる事件が発生しました。捕虜となった兵士たちは、自身がトリヤッティの部隊21208からのスペツナズであると名乗り、後にこの事情が周囲で大きな関心を呼びました。特に、情勢が緊迫する中で、彼らの行方が注目されることとなりました。

その後、抗議活動が行われ、捕虜の状態を憂慮する声が上がりました。親ロシア派の民兵幹部は、捕虜の兵士たちが民兵の一員であると主張する一方で、欧州安全保障協力機構の当局者は彼らの軍所属を確認しました。

1年後の2016年5月、捕虜とウクライナのナジーヤ・サウチェンコとの間で交換が行われました。

また、2022年10月には、リマンの戦いで旅団が過去最悪の犠牲者を出したとの報告があり、偵察中隊の75%の兵員を失ったと伝えられました。

部隊編成

第3独立親衛特殊任務旅団の編成は、以下の通りです。

• - 第503独立特殊任務支隊（軍部隊21209）
• - 第509独立特殊任務支隊（軍部隊21353）
• - 第330独立特殊任務支隊（軍部隊33473）
• - 下級特技兵学校
• - 物資保障中隊
• - 特殊兵器中隊（2000年に復活）
• - 自動車中隊

補足

旅団は、ロシア連邦英雄を2名輩出しており、彼らはアントーン・ウシャコフ曹長とアレクセイ・デルグノフ上級中尉です。特に、旅団の活動は戦争や紛争において重要な役割を果たしており、その歴史や現状は多くの人々の関心を集めています。旅団が今後どのような変遷を辿るのか、引き続き注目が必要です。

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