第3逃亡者

映画『第3逃亡者』

『第3逃亡者』（原題: Young and Innocent）は、1937年に制作されたイギリスのサスペンス映画です。名匠アルフレッド・ヒッチコックが監督を務め、主演にはデリック・デ・マーニーとノヴァ・ピルビームが名を連ねています。この作品は、ジョセフィン・テイの1936年の長編推理小説『ロウソクのために一シリングを』を基にしており、ヒッチコックの独特の映像美と緊張感あふれるストーリー展開が光ります。

## ストーリーの概要

物語は、映画女優クリスティンの遺体が発見されるところから始まります。この場面を目撃した青年ロバート・ティスダル（デリック・デ・マーニー）は、誤って殺人の容疑をかけられてしまいます。しかし、無実を証明するため、ロバートは警察の手から逃れ、真犯人を追求する冒険に乗り出すことを決意します。

逃亡中、彼は警察署長の娘エリカ・バーゴイン（ノヴァ・ピルビーム）と出会い、彼女の助けを借ります。ロバートとエリカは共に事件の真相を探りながら、様々な困難に立ち向かいます。このコンビネーションが、観客を物語に引き込む大きな要素となっています。

## キャストの紹介

1. ロバート・ティスダル（デリック・デ・マーニー） - 殺人容疑をかけられた青年で、逃亡者。
2. エリカ・バーゴイン（ノヴァ・ピルビーム） - 警察署長の娘で、ロバートをサポートする。
3. バーゴイン大佐（パーシー・マーモント） - 警察署長で、エリカの父。
4. ウィルじいさん（エドワード・リグビー） - 事件の鍵を握る重要なキャラクター。
5. マーガレット（メアリー・クレア） - エリカの叔母で、事件への興味を持つ。

この他にも、警部補のケント（ジョン・ロングデン）やクリスティンの嫉妬深い夫ガイ（ジョージ・カーゾン）など、多彩なキャラクターが展開に深みを加えています。

## 評価と印象

『第3逃亡者』は、公開当初から高い評価を得ており、映画批評サイト「Rotten Tomatoes」によると、全18件の評論がすべて好意的であり、平均スコアは10点満点中7.62点という結果が出ています。特に注目すべき点は、クライマックスにおける大掛かりなワンシーン・ワンカットによる移動撮影手法であり、ここで観客だけに真犯人の居所が明らかにされる巧妙な演出が際立っています。

## ヒッチコックの特別な瞬間

作品の序盤、およそ15分が経過したところで、ヒッチコック自身が登場し、カメラを構えている姿を見ることができます。これも映画ファンにはお馴染みのヒッチコックの定番のサプライズシーンの一つです。

『第3逃亡者』は、人間の心理とサスペンスを織り交ぜた物語であり、ヒッチコックの才能が存分に発揮されています。彼のスリル満点の演出が、多くの観客を魅了してきました。この映画は、ヒッチコックファンだけでなく、サスペンス映画を愛するすべての人にとって必見の作品と言えるでしょう。

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