ジョセフィン・テイ

ジョセフィン・テイ（1896年7月25日 - 1952年2月13日）は、イギリスの推理作家であり、本名をエリザベス・マッキントッシュという。スコットランド北西部インヴァネスで生まれ、ゴードン・ダヴィオットという別名でも作品を発表している。

若い頃は芸術家を目指し、エディンバラの王立アカデミーで学んだが、家庭の事情によりその道を断念。その後、バーミンガムの体育学校で学び、体育教師として勤務したものの、父親の看病のために3年で退職した。

その後、テイは創作活動を開始し、詩や小説を書き始めた。1929年には、ゴードン・ダヴィオット名義で、ロンドン警視庁の警部アラン・グラントを主人公とした長編『列のなかの男』を発表。この作品を皮切りに、グラント警部を主人公とする6作の長編シリーズを執筆した。

特に、シリーズ第5作にあたる『時の娘』は、歴史ミステリー、ベッド・ディテクティブというジャンルにおける先駆的な作品として、テイの代表作となっている。この作品は、英米だけでなく、日本のミステリー作家にも大きな影響を与えた。また、グラント警部シリーズの第3作である『フランチャイズ事件』は、レイモンド・チャンドラーのお気に入りであったという。

テイは推理小説だけでなく、1933年には史劇『ボルドーのリチャード』を発表して、作家としての名声を確立し、戯曲やラジオドラマも数多く執筆した。

推理小説

アラン・グラント警部シリーズ
『列のなかの男』(The Man in the Queue)（1929年） - ゴードン・ダヴィオット名義
『ロウソクのために一シリングを』(A Shilling for Candles)（1936年）
『フランチャイズ事件』(The Franchise Affair)（1948年）
『美の秘密』(To Love and Be Wise)（1950年）
『時の娘』(The Daughter of Time)（1951年）
『歌う砂―グラント警部最後の事件』(The Singing Sands)（1952年）

その他の推理小説
『裁かれる花園』(Miss Pym Disposes)（1946年）- ジョセフィン・テイ名義
『魔性の馬』(Brat Farrar)（1949年）

その他の小説
『Kif: An Unvarnished History』(1929年) - ゴードン・ダヴィオット名義
『The Expensive Halo: A Fable without Moral』(1931年) - ゴードン・ダヴィオット名義
『The Privateer』(1952年)

伝記
『Claverhouse』(1937年) - ゴードン・ダヴィオット名義（17世紀の騎兵隊長ジョン・グラハムの伝記）

戯曲
『ボルドーのリチャード』(Richard of Bordeaux)（1932年）
『笑う女』(The Laughing Woman)（1934年）
『スコットランドの女王』(Queen of Scots)（1934年）
『The Stars Bow Down』（1939年）
『コルネリア』(Cornelia)（1946年）- F. クレイギー・ハウ名義
『The Little Dry Thorn』（1946年）
『ラハブ』(Rahab)（1947年）
『リース砂』(Leith Sands)（1947年）
『ヴァレリウス』(Valerius)（1948年）
『The Balwhinnie Bomb』（1949年）
『サラ』(Sara)（1951年）
『ディコン』(Dickon)（1955年）

ジョセフィン・テイは、その洗練された文章と、複雑な人間関係を描くストーリーで、多くの読者を魅了した。彼女の作品は、現代においてもなお、多くの人々に愛され続けている。

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