第30師団 (日本軍)

第30師団

第30師団は、1943年（昭和18年）から1945年（昭和20年）にかけて存在した大日本帝国陸軍の師団です。太平洋戦争末期に編成され、主にフィリピン方面で戦闘を繰り広げました。

編成と概要

1943年5月14日、軍令陸甲第41号により臨時編成が命じられました。この師団は、既存の師団から歩兵連隊を1つずつ移して3個連隊編成とした点が特徴です。具体的には、以下の連隊が編入されました。

歩兵第41連隊：第5師団より編入
歩兵第74連隊：第19師団より編入
歩兵第77連隊：第20師団より編入

戦歴

1944年8月、第30師団は南方へ転用され、第35軍に編入されました。フィリピン・ミンダナオ島の守備を主な任務としましたが、レイテ島の戦いにも投入され、大きな損害を被りました。その後、ミンダナオ島での過酷な持久作戦を展開し、終戦を迎えることになります。

歴代師団長

小林浅三郎 中将：1943年6月10日 - 1944年3月28日
両角業作 中将：1944年3月28日 - 終戦

参謀長

山津兵部之助 大佐：1943年6月10日 - 終戦

最終所属部隊

以下は、終戦時の第30師団の主要部隊です。

歩兵第41連隊（福山）：炭谷鷹義大佐
歩兵第74連隊（咸興）：根岸幹大佐
歩兵第77連隊（平壌）：新郷栄次大佐
捜索第30連隊：名波敏郎大佐
野砲兵第30連隊：大塚曻大佐
工兵第30連隊：大内維武大佐
輜重兵第30連隊：吉村繁次郎中佐
第30師団通信隊：村上一男少佐
第30師団兵器勤務隊：前田光吉大尉
第30師団衛生隊
第30師団第1野戦病院：大重弥吉大尉
第30師団第2野戦病院：中山剛大尉
第30師団第4野戦病院
第30師団病馬廠：梶浦正市獣医大尉
第30師団防疫給水部：須賀木一軍医少佐

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
防衛庁防衛研修所戦史部『陸軍軍戦備』（戦史叢書）、朝雲新聞社、1979年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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