第34回ボストン映画批評家協会賞

第34回ボストン映画批評家協会賞は、2013年の優れた映画作品を選出し、その結果が同年12月8日に発表されました。

主要な受賞部門は以下の通りです。

作品賞: 『それでも夜は明ける』
監督賞: スティーヴ・マックイーン（『それでも夜は明ける』）
主演男優賞: キウェテル・イジョフォー（『それでも夜は明ける』）
主演女優賞: ケイト・ブランシェット（『ブルージャスミン』）
助演男優賞: ジェームズ・ガンドルフィーニ（『おとなの恋には嘘がある』）
助演女優賞: ジューン・スキッブ（『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』）
アンサンブル・キャスト賞: 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
脚本賞: ニコール・ホロフセナー（『おとなの恋には嘘がある』）
ドキュメンタリー映画賞: 『アクト・オブ・キリング』
外国語映画賞: 『少女は自転車にのって』（サウジアラビア）
アニメ映画賞: 『風立ちぬ』（宮崎駿監督）
撮影賞: エマニュエル・ルベツキ（『ゼロ・グラビティ』）
編集賞: ダニエル・P・ハンリー、マイク・ヒル（『ラッシュ/プライドと友情|ラッシュ_プライドと友情』）
新人映画人賞: ライアン・クーグラー（『フルートベール駅で』）
* 音楽賞: 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』

この年の選考においては、スティーヴ・マックイーン監督の『それでも夜は明ける』が作品賞、監督賞、そして主演男優賞（キウェテル・イジョフォー）の主要三冠を獲得し、高い評価を得ました。また、ジェームズ・ガンドルフィーニが助演男優賞を受賞した『おとなの恋には嘘がある』からは脚本賞も選ばれています。

一方、アニメ映画賞に宮崎駿監督の『風立ちぬ』が選ばれた際には、選考の場で特定の騒動が発生しました。

投票権を持つ映画評論家の一人が、投票会場において、『風立ちぬ』という作品、ひいては作品が描く日本の歴史的背景に関連して、日本の過去の戦争行為に対する批判的なスピーチを行いました。このスピーチの主旨は、過去の戦争における日本の行動、例えば大規模な犠牲者、組織的な性暴力、人体実験、強制労働といった事実が、現在の日本の歴史教育で十分に扱われていないことに対する懸念を表明するものでした。特に、かつて女性に対して行われた性暴力に関する日本政府要人による謝罪の撤回や否定があったことにも触れられました。

さらに、この評論家は、『風立ちぬ』で描かれる航空機の製造目的が、その兵器としての側面や、製造に関わった外国人労働者の存在といった事実に十分に光を当てていないと指摘し、戦後の日本が一貫して戦争犯罪への反省を欠いているとの批判を展開しました。

このように、第34回ボストン映画批評家協会賞は、作品の評価だけでなく、アニメ映画賞を巡る議論という異例の出来事も伴う結果発表となりました。

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