第38回主要国首脳会議

第38回主要国首脳会議（キャンプ・デービッド・サミット）

2012年5月18日から19日にかけて、アメリカ合衆国メリーランド州にある歴史的な保養施設、キャンプ・デービッドにて、第38回主要国首脳会議、通称「キャンプ・デービッド・サミット」が開催されました。

この国際的な会合には、議長を務めた開催国アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領をはじめとする主要8カ国（G8）の首脳が集結しました。具体的には、フランスのフランソワ・オランド大統領、イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相、ドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相、日本の野田佳彦内閣総理大臣、イタリアのマリオ・モンティ閣僚評議会議長、カナダのスティーヴン・ハーパー首相が出席しました。

特に注目されたのは、ロシアからの出席でした。通常、ロシアはウラジーミル・プーチン大統領が出席しますが、この会議にはドミートリー・メドヴェージェフ首相が参加しました。この理由について、ロシア側はプーチン大統領が新体制構築に専念するためと説明しました。しかし、同年後半にロシアで開催されるアジア太平洋経済協力（APEC）首脳会議に、オバマ米大統領が大統領選挙を理由に欠席を表明していたため、これに対するロシア側の報復的な措置ではないかという見方も存在しました。

G8首脳に加え、欧州連合（EU）からはヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会議長とジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長も参加し、欧州の視点からの議論に貢献しました。

このサミットでは、多岐にわたる世界的な課題について集中的な議論が行われました。主要な議題として挙げられたのは以下の点です。

世界の石油市場: 市場の安定化とエネルギー供給の確保に向けたG8としての声明が採択されました。
食料安全保障及び栄養: 特に開発途上国における食料不足や栄養失調の問題に対し、G8がどのように行動していくかについて具体的な議論がなされました。
エネルギー及び気候変動: 持続可能なエネルギー政策の推進と地球温暖化対策という喫緊の課題に対するG8の取り組みが話し合われました。
移行期にあるアラブ諸国とのドーヴィル・パートナーシップ: 「アラブの春」以降、政治・経済的な移行期にある中東・北アフリカ諸国を支援するためのパートナーシップについて議論が進められました。
知的財産権・偽造及び不正医薬品への対処: 国際的な経済活動を阻害し、時には人々の健康を脅かす偽造品や不正医薬品の問題に対する国際協力の重要性が確認されました。
不拡散及び軍縮: 核兵器の不拡散と軍縮に向けた国際的な取り組みを再確認する2012年の宣言が採択されました。

会議の期間中には、和やかな一幕もありました。日本の野田佳彦内閣総理大臣は、会議の初日が自身の誕生日（5月20日）の前日であったため、夜に催された晩さん会では、他の首脳たちが野田首相の誕生日を祝うサプライズがあったとも伝えられています。このような個人的な交流も、首脳間の信頼関係構築に寄与するものと考えられます。

第38回主要国首脳会議は、世界の主要な経済国・民主主義国の首脳が、緊迫する世界情勢の中で連携し、共通の課題に対する解決策を探るための重要な機会となりました。採択された声明や合意は、その後の国際的な政策決定に影響を与えるものとなりました。

（文末）

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