第38回社会人野球日本選手権大会予選

この項目では、第38回社会人野球日本選手権大会本戦に出場するチームがどのように決定されたか、その予選の経緯と結果について詳述するものです。

第83回都市対抗野球大会優勝チームによる出場枠増枠

前年の第83回都市対抗野球大会で優勝したJX-ENEOSは、すでに第41回JABA四国大会での優勝により、今大会の本戦出場権を獲得していました。このため、都市対抗野球大会優勝チーム枠が重複することとなり、規定に基づき、関東地区の最終予選からの出場枠が一つ追加されることとなりました。

第37回全日本クラブ野球選手権大会

クラブチームの頂点を決める第37回全日本クラブ野球選手権大会は、日本選手権本戦への出場権をかけた重要な大会の一つです。各地の予選を勝ち抜いた強豪クラブチームが集まり、熱戦を繰り広げました。決勝戦では、滋賀・高島ベースボールクラブと和歌山箕島球友会が対戦。延長10回にもつれ込む激闘の末、滋賀・高島ベースボールクラブが2対1でサヨナラ勝利を収め、クラブ選手権代表として日本選手権本戦への出場権を獲得しました。

日本選手権対象JABA公認大会

春から夏にかけて開催される主要なJABA公認大会には、優勝チームに日本選手権本戦への出場権が与えられます。これらの大会でも多くのドラマが生まれました。以下に、各大会の優勝チームと決勝の結果を記します。

第67回JABA東京スポニチ大会
決勝：JFE東日本 3 - 2 日本通運
JFE東日本が本戦出場。

第59回JABA静岡大会
決勝：トヨタ自動車 4 - 2 日立製作所
トヨタ自動車が本戦出場。

第41回JABA四国大会
決勝：JX-ENEOS 2 - 1 NTT西日本
JX-ENEOSが本戦出場。（すでに本戦出場を決めていたため、都市対抗枠の増枠に繋がった。）

第35回JABA日立市長杯争奪大会
決勝：Honda 7 - 5 日立製作所
Hondaが本戦出場。

第55回JABA岡山大会
決勝：JFE西日本 3 - 0 JFE東日本
JFE西日本が本戦出場。

第54回JABA長野県知事旗争奪大会
決勝：東邦ガス 3 - 2 JR東日本
東邦ガスが本戦出場。

第63回JABA京都大会
決勝：NTT西日本 3 - 2 パナソニック
NTT西日本が本戦出場。

第65回JABAベーブルース杯争奪大会
決勝：西濃運輸 3 - 1 王子製紙
西濃運輸が本戦出場。

第65回JABA九州大会
決勝：パナソニック 8x - 7 JR九州（サヨナラ勝ち）
パナソニックが本戦出場。

第43回JABA東北大会
決勝：住友金属鹿島 3 - 2 JR東日本
住友金属鹿島が本戦出場。

第54回JABA北海道大会
決勝：JR東日本 5 - 2 NTT東日本
JR東日本が本戦出場。

地区最終予選

JABA公認大会優勝枠やクラブ選手権優勝枠とは別に、各地区に割り当てられた出場枠をかけて行われる最終予選でも、多くのチームが熱戦を繰り広げました。ここからは、各地の代表決定戦を勝ち抜いたチームを紹介します。

北海道地区
代表決定戦：航空自衛隊千歳 7 - 2 室蘭シャークス
リーグ戦の上位2チームによる決定戦を航空自衛隊千歳が制し、本戦出場。

東北地区
代表決定戦：七十七銀行 3 - 0 日本製紙石巻
トーナメントを勝ち上がった七十七銀行が代表権を獲得。

北信越地区
代表決定戦：バイタルネット 7 - 2 信越硬式野球クラブ
予選リーグを勝ち抜いたバイタルネットが本戦へ。

関東地区
代表決定戦：かずさマジック 3 - 1 三菱重工横浜、鷺宮製作所 2 - 0 明治安田生命、日本通運 3 - 2 富士重工業、日立製作所 7 - 0 東芝
敗者復活代表決定戦：三菱重工横浜 4 - 3 東芝
本戦出場はかずさマジック、鷺宮製作所、日本通運、日立製作所、三菱重工横浜の5チームとなりました。

東海地区
代表決定戦：JR東海 7 - 5 東海理化、三菱重工名古屋 2 - 0 三菱自動車岡崎
敗者復活代表決定戦：東海REX 3 - 2 ヤマハ
激しい予選を勝ち抜き、JR東海、三菱重工名古屋、東海REXの3チームが本戦出場を決めました。

近畿地区
代表決定戦：日本新薬 2 - 1 三菱重工神戸、新日鉄広畑 8 - 1 ニチダイ
敗者復活代表決定戦：日本生命 12 - 2 三菱重工神戸
敗者再復活代表決定戦：ニチダイ 8x - 7 三菱重工神戸（サヨナラ勝ち）
近畿地区からは日本新薬、新日鉄広畑、日本生命、ニチダイの4チームが出場権を得ました。

中国地区
代表決定戦：三菱重工広島 7 - 1 伯和ビクトリーズ、伯和ビクトリーズ 8 - 0 シティライト岡山（7回コールド）
リーグ戦とトーナメントを経て、三菱重工広島と伯和ビクトリーズの2チームが代表となりました。

四国地区
代表決定対抗戦：四国銀行 3勝2敗 JR四国
3戦先勝方式の対抗戦を四国銀行が制し、本戦出場。

九州地区
代表決定戦：JR九州 2 - 1 Honda熊本
敗者復活代表決定戦：Honda熊本 4x - 3 三菱重工長崎（サヨナラ勝ち）
JR九州とHonda熊本が本戦への切符を手にしました。

これらの様々な予選、すなわちクラブ選手権、JABA公認大会、そして各地区の最終予選を経て、第38回社会人野球日本選手権大会本戦に出場する全チームが決定しました。各チームは、この厳しい予選を勝ち抜いた誇りを胸に、真の社会人野球日本一を目指して本戦に臨みます。

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