第38回衆議院議員総選挙

1986年 7月6日に実施された第38回衆議院議員総選挙は、自由民主党が圧倒的な勝利を収めた重要な選挙です。今回は第14回参議院議員通常選挙との衆参同日選挙として行われ、 1980年の第36回選挙以来、6年ぶりとなる衆参同日選挙でもありました。この選挙の結果、自由民主党は公認候補だけで300議席を確保し、結党以来の最高記録を更新しました。さらに、追加公認を合わせると304議席に達し、戦後最大の政党議席数を誇りました。

選挙の実施時期は、内陸県出身の中曽根康弘内閣のもとでのもので、この選挙と前回の第37回[[衆議院議員総選挙]]が、内陸県出身の首相のもとで行われた唯一の衆議院選挙となります。また、この選挙は昭和時代における最後の衆議院議員総選挙でもあり、日本国憲法のもとでは唯一、寅年に実施された選挙でもありました。さらに、この選挙では後に民主党の初代首相となる鳩山由紀夫が初当選を果たしています。

選挙データ

この選挙では自民党が当選者数の上位を占める一方で、他の政党は議席を減らす結果となりました。選挙は第2次中曽根内閣の下で進行し、解散日は1986年6月2日、投票日が7月6日でした。投票方法は秘密投票の単記投票であり、選挙権は満20歳以上の日本国民に与えられました。

当時の有権者数は86,426,845人で、そのうち男性41,842,106人、女性44,584,739人でした。投票率は71.40%と過去の選挙よりも高い数字が記録され、特に女性の投票率は72.52%という結果が得られました。

選挙結果

自民党は圧勝を収め、連立を組んでいた新自由クラブは議席を減少させ、わずか6議席で存続を余儀なくされました。その後、新自由クラブは約2ヶ月後に解党し、メンバーの大半が自民党に合流します。特に社会党は公示前から24議席を減らし、85議席を獲得するという大敗を喫し、党首である石橋政嗣は辞任。しかし、副委員長の土井たか子が後任に就任し、日本初の女性党首が誕生しました。国民の支持基盤を失った民社党や公明党も議席を減少しました。

この選挙で注目されたのは、自由民主党が総議席数において300議席を突破したことに加え、多くの新人候補者が当選した点です。初当選者の中には、39名の女性候補も含まれ、今後の選挙に向けた重要なステップとなりました。また、最年少当選者は石破茂（自民）で29歳、最高齢当選者は福田一（自民）で84歳という記録も残りました。

選挙後の流れ

選挙の結果、自民党はその後の国会でも強い基盤を持つことになり、特に中曽根内閣は安定した政権運営を続けました。選挙後すぐに第106回国会が開催され、議長や副議長の選挙も進められました。自民党の原健三郎が議長に選出され、さらなる政策推進に向けた基盤を整えることとなります。

このように1986年の選挙は、自民党の圧勝とともに日本政治の流れを大きく変える結果となりました。この選挙を通じて、当時の政治風潮や国民意識の変化が見て取れ、今後の選挙にも影響を与える重要な出来事の一つとして記憶されることとなりました。

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